ブランディングに寄与する社内広報のあり方とは

7月23日、都内で「インターナルコミュニケーションフォーラムvol.1」が開催され、ブランディングをテーマに事例紹介やトークセッションが行われた。

第1部では、電通 コーポレートコミュニケーション局 企画部部長の小山雅史氏と産業編集センターはたらくよろこび研究所 企画営業部部長の相山大輔氏が基調対談を行った。

これまで多くの企業・商品のブランディングを手がけてきた小山氏。4月からはコーポレートコミュニケーション局の企画部長として、クライアントはもちろん、自社のインターナルコミュニケーションのプランニングも担当している。同氏はその重要性について、「近年、デジタルイノベーションやM&Aによって企業は短期間で変革に直面している。社員が同じゴールに向かう強い組織をつくるためには、企業文化やDNAを改めて見直す必要がある」と話した。

また、様々な会社の社内報の企画立案や制作に携わってきた相山氏によると、企業における広報の役割は単なる「お知らせ係」から、会社の変革を助けるいわば「伴走者」のようなものへ変化しているという。

これについては小山氏も「広報担当者は普段からメディアを通じて社会からのコンセンサス(合意)を得るということをしているが、これからはそのコミュニケーション能力を社内でも発揮すべき」と指摘した。

電通 小山雅史氏

産業編集センター 相山大輔氏

他部署と連携深め全社一体に

西武ホールディングスの國島敏宏氏(左)はグループビジョン推進の取り組みについて、第一園芸の鈴木真美氏はインターナルブランディングプロジェクト「WAKUDOKI PROJECT」について紹介した。

第2部では、第一園芸 管理本部 広報部の鈴木真美氏が、2018年9月に創業120周年を迎えるにあたり、全社横断で取り組んでいるインターナルブランディングプロジェクト「WAKU DOKI PROJECT」について紹介した。創業時と比べて扱う商材や事業部が増え、他部署との情報共有が課題になっていた同社。そこで企業理念について改めて社内理解を深める目的で本プロジェクトを実施した。

それに先駆け2017年9 月に実施したイベント「VISION DAY」では、田中浩社長によるビジョンの説明やムービーの上映のほか、フォトスポットや他部署とのコミュニケーションタイムを設け、社員が参画できる形にした。

プロジェクト後には社内の環境緑化や新商品の創出など、各事業部にも新しい動きがあったといい、「今後はこの熱量を維持しながら、より大きな渦をつくっていきたい」と鈴木氏。

第3部に登壇したのは西武ホールディングス 広報部 アシスタントマネジャーの國島敏宏氏。総会屋に対する利益供与事件や有価証券報告書の虚偽記載が原因で2004年に上場廃止となってしまった西武鉄道。そこから2006年の西武ホールディングス設立に至る、組織改革が行われた。

この改革には「グループ再編」というハード面と、「グループビジョン制定」というソフト面、両方からのアプローチが必要だった。広報部ではこのソフト面の改革を進めるため、全社員へのアンケートなどを実施しながらグループビジョンを制定し、浸透に努めてきた。現在もこのグループビジョンを推進することを目的に創刊したグループ報『ism』発行による情報発信や、社員参画型の取り組みを実施している。

國島氏は、「ビジョンを制定して終わりではなく、自分の業務に落とし込めるところまで推進することが重要」と話した。

社内報で組織を活性化

第4部のトークセッションでは、UACJの浅香こずえ氏と日立ソリューションズの竹谷未希人氏が社内報制作のやりがいや工夫している点について語った。

第4部では「社内報を基軸としたインターナルブランディング」をテーマにトークセッションが行われた。アルミニウム圧延メーカー・UACJの浅香こずえ氏、日立ソリューションズの竹谷未希人氏をゲストに迎え、相山氏がモデレーターを務めた。

日立ソリューションズの社内報『Hitachi Solutions』は「経営ツール」としての活用にこだわりを見せる。「働き方改革など経営方針に沿った記事にするよう心がけています」と竹谷氏は話し、企画・編集上の工夫を明かした。

一方、UACJの社内報『ALUMINIST』は、国内外で働く約1万人(グループ含む)向けに制作。「当社グループは世界各国に40を超える拠点があり、約8割の従業員が製造現場で働いています。国を問わず伝わる記事や写真の活用などによって従業員の気持ちに寄り添うことを意識しています」と浅香氏。組織の活性化に向けた、社内報の活用事例を紹介し締めくくった。


 

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