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【ヤングスパイクス】一度負けた二人がゴールドを獲るまで:国内予選編

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ヤングカンヌ国内予選

・参加チーム/173チーム
・クライアント/国際連合
・予選課題
「地球温暖化の一因になっている各家庭の白熱電球を、
地球にやさしいLED電球にスイッチさせるアイデア。」

・提出案
「REPRICE MILLION DOLLAR VIEW」
“百万ドルの夜景”の値段をつけ直す。

「エネルギー効率がよいLEDにかえなきゃいけない」
そんな世の中の空気をつくるために、私たちが目をつけたのは、電球がつくりだしていた「100万ドルの夜景」でした。
調べてみると、実はこの「100万ドル」という数字は、
その夜景を照らすのにかかっている月の電気代が元になっていたのです。
100万ドルの夜景を抱える各都市や自治体が、
「クリーンで美しい夜景」を目指し、地元の住民を巻き込みながら、
LEDに変えることで夜景の値段の下げ幅を競うという企画でした。

このキャンペーンは、自治体がこの「不名誉な100万ドルを辞退する」
という宣言からスタートします。

さらに、観光地になっているこれらの夜景スポットに
「今の夜景の値段」を表示する屋外サイネージを設置。
そうすることで、現地で観光客が撮った写真を通して、今の金額が拡散していきます。
ユーザーは、夜景スポットや量販店、WebからLED電球を購入するだけで、
このキャンペーンに参加することができる仕組みです。

最後に、国連が1年間で最も値段を下げることができた夜景を、
「最もクリーンで美しい夜景」として表彰。
月の家庭の電気代を300円下げることができるLED電球へのスイッチを
夜景レベルで促していくキャンペーンです。

企画するときに気にしていたこと
PRの企画はファクトベースなので、
企画をするときは、みんなが知らない意外な、
かつパワーのあるファクトをいかに見つけるかが大切です。

そのファクトを出発点に、さまざまな人や組織を巻き込んでいけるストーリーを組み立て、
その結果として、パーセプションチェンジ。さらには具体的なアクションにまで持っていけるかを意識しながら企画を精査していました。

国内予選も負け組

「100万ドルの夜景が、元々電気代だった」というハッとするファクトも見つかり、
入念に準備して挑んだので、正直勝てると思っていました。
その証拠に、ファイナリストに残った時点で、
村石はカンヌまでの往復チケットと宿の予約を完了させている気の早すぎる男でした。

しかし、国内予選の結果は、参加した173チーム中2位のシルバー。
カンヌへの切符は、僕たちの手から、またもやこぼれ落ちていきました。
カンヌでのリベンジを誓っていた二人は、
スパイクスアジアの日本代表となり、シンガポールに向かうことになりました。

【ヤングスパイクス】一度負けた二人がゴールドを獲るまで : 本戦編 につづく

記事が公開され次第、リンクいたします。

中川諒

1988年生まれ。幼少をエジプトとドイツで過ごす。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、インドでフォトジャーナリズムを勉強。Wieden+ Kennedy TOKYOでのアルバイトを経て、電通に入社。プロモーション局、営業局を経て、転局試験でクリエーティブ局へ。PR視点で企画制作を行う。2年連続でPR若手日本代表に選出。
TCC新人賞 2018、CCN賞 2018、ヤングスパイクス2018 PR部門日本代表/本戦金賞、ヤングカンヌ2017 PR部門日本代表、グッドデザイン賞、スパイクスアジア銀・銅、アドフェスト銀、NYC ADC銅、One Show入賞など受賞。

 

村石健太郎

1990年生まれ。福岡県出身。青山学院大学卒業後、デジタルプロダクションAID-DCCにてインタラクティブを軸にしたプロモーションの企画・制作業務に従事。その後、フリーランス、博報堂を経て、再びフリーランスで広告・PRキャンペーンのプランニング・ディレクション業務を行う。
フリーランスとして、日本初のヤングカンヌ日本代表選出、世界初のヤングスパイクスGOLD入賞。
ヤングスパイクス2018 PR部門日本代表/本戦金賞、ヤングカンヌ2015 PR部門日本代表、カンヌライオンズ銅、Adfestグランデ、D&ADイエローペンシル、スパイクスアジア金、ACCグランプリなど受賞。