共感のヒント~抽象化し相手を理解したうえで表現する、伝え方の新しいフレームワーク【りょかち×井上大輔】 後編

【前回】「共感のヒント~「言語化」の先にある「たとえ」 【りょかち×井上大輔】 前編」はこちら

りょかちさんは、IT企業の社員として働く傍ら、通称「自撮ラー」を名乗り、SNSに自撮りをアップし続ける自撮り女子。若者文化やセルフィーアプリに関心を持ち、自撮りを始めとするインターネット文化・SNS文化に精通しており多数の取材を受けています。
若者から共感される彼女の言葉にはどのような秘密があるのか。『たとえる力で人生は変わる』の著者 井上大輔さんとの対談後編です。
左)りょかちさん 右)井上大輔さん

「たとえる」時は伝えたい相手のことを思って具体化する

井上:

りょかちさんの文章を読んで感じるのは、直接的に感情を揺さぶっているということです。理解させようというより、共感させようとしている感じがするのですが、そのために何か工夫はされていますか?

りょかち:

「誰に伝えるのか」ということはすごく意識しています。例えば、就活メディアなら、やりたいことを見つけられないから何でもできる会社に入社することを、就活生が普段よく使っている「ペンディング(保留)」という言葉を使って「ミライをペンディングする」という表現にするとか。相手がよく理解して使っている言葉を入れて、共感しやすいように意識しています。

井上:

それは「たとえ話」に通じるものがありますね。本にも書きましたけど、1回抽象化して、わかりやすく具体化し直すのがたとえ話ですが、その際のポイントの一つは、「伝える相手にとって」より身近なものにするということなんです。たとえ話は、わかりにくいから使うわけで、わかりにくいのは相手に馴染みがないからだということですよね。だから、相手にとって馴染みのある表現にする。たとえ話でも、文章でも、それが本質なのかもしれない。

りょかち:

はい! 私、馴染みのある言葉にはめちゃくちゃ対応しています(笑)。

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