AOKI代表取締役社長 諏訪健治 氏 × アーキセプトシティ 代表 室井淳司 氏
AOKIにとって、新たな顧客体験をつくる挑戦ともいえる本プロジェクトは、どのような狙いのもと、進んでいったのか。AOKI 代表取締役社長の諏訪健治氏と、『すべての企業はサービス業になる』の著者である室井淳司氏に話を聞く。
20~40代の男性の間で高まる、オーダーメイドスーツのニーズ
—AOKIではすでにオーダースーツ事業の第1ステージとして、2016年10月ににAOKI銀座本店にオーダーショップインショップ「THE TAILOR SHOP AOKI」を立ち上げ、第2ステージとして2018年10月にはAOKI・ORIHICA全店でメンズオーダースーツの取り扱いを始めています。今回、銀座と池袋に開店した「Aoki Tokyo(アオキトーキョー)」は、この事業の第3ステージにあたると聞きました。そもそも今回のプロジェクトはどのような狙いで始まったのでしょうか。諏訪:
昨今のビジネスシーンではカジュアルな服装の方が増えています。一方で、スーツの市場には実は新たなニーズが生まれています。
スーツを着る方は、都市部に集中する傾向があるのですが、その中で20代から40代のビジネスパーソンにおいては既製服ではなく、自分に似合う自分仕立てのスーツを着たいというニーズが高まっているのです。そうしたニーズを背景に、いまオーダースーツ業界が盛り上がりを見せています。
オーダースーツもそうですが、今は一人ひとりのお客さまに合う商品が求められる時代です。しかし我々が展開する500店舗のロードサイドのAOKIと、100店舗のショッピングモールのORIHICAでは、そうしたお客さまのニーズに十分に寄り添うことができていませんでした。そこで都市部を中心にメンズオーダースーツ専門の「Aoki Tokyo」を立ち上げようと考えました。
「TOKYO」発のブランドとして、世界に発信していく
—ブランド名に「Tokyo」と冠したところに、意志を感じます。
諏訪:
「AOKI」の名前は、おかげさまでビジネススーツのブランドとして認知があります。この「AOKI」という資産を生かしながら、次のステップである「世界に通用するブランド」というステージに進むのだという我々の志を『Aoki Tokyo』という名前に込めました。1店舗目として銀座という場所を選んだのも、オーダーメイドの店舗が集中する銀座でしっかりとブランドを確立して、東京発のブランドとして世界に発信したいという思いからです。



