「いいプロジェクトとは、次に生まれるものの種が見つかるプロジェクト【安斎勇樹×前田考歩 前編】」はこちら
ワークショップデザイン研究者の安斎勇樹さんは、よいワークショップとは次につながるタネが見つかるようなワークショップで、タネを見つけるには「問いのデザイン」が重要だと考えています。そんな安斎さんに、『予定通り進まないプロジェクトの進め方』の著者 前田考歩さんが、プロジェクトを成功に導く問いかけ方についてお話を聞きました。今回はその後半です。
プロジェクトにはプロジェクトの「問いのサイズ」がある
前田:
次につながるような「タネ」が見つかるプロジェクトにするには、よい問いかけが必要になると思います。安斎先生が発信しておられる「問いのデザイン」についての記事を拝見することもあるのですが、「よい問い」とはいったいどういう問いでしょうか。
安斎:
難しいですね。それがよい問いかどうか、いつわかるのかという問題があると思います。たとえば、アインシュタインに相対性理論を完成させた問いは「光に追いつくことができるのか」、「追いついた場合、光はどう見えるのか」という問いです。これらがよい問いだったとわかったのは、アインシュタインがこの問いを解いて相対性理論を完成させた10年後でした。
解くのに10年かかる問いは、プロジェクトの場合どうなんでしょう。プロジェクトには、引き受けるべき問いのサイズというものがありそうですね。
前田:
引き受けるべき問いのサイズですか…。たしかに、プロジェクトマネージャー(プロマネ)が問いを10年考え続けていたら、その商品やサービスはローンチに至りませんね。そう考えると、プロマネには、プロジェクトの期間によって問いのサイズを自由に設定できる能力が求められるかもしれないですね。
