【前回コラム】「いま、デジタルメディアをプロデュースするということ。」はこちら
来年に迫った「東京オリンピック・パラリンピック」に向けて様々なインフラが整備されつつあります。交通機関、施設など、アウトドアメディアの拡大にとって影響の大きいものばかりですが、中でも2020年以降大きな可能性を秘めているものに5G(第5世代移動通信システム)があります。
5Gは高速・大容量化、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性などを実現していきます。IoT(Internet of Things)や、M2M(Machine to Machine)など物対物の通信が超高速で繋がる世界です。
現在のアウトドアメディアでは、これまで未整備だったロケーションデータに対して、技術の革新と共に、様々な事業者が現れ、GPSやWi-Fi、beaconや視認カメラ等、ロケーションに合わせた技術を駆使することでメディア接触者数やデモグラデータを取得、更に位置情報データを活用することで生活者の行動を把握することが出来てきました。
加えて、AIなど機械学習を掛け合わせることで過去の履歴だけではなく、生活者の未来の動きを予測し、ターゲットが購買行動の意思決定をするタイミングを捉え、その場にあるメディアに適切な広告を配信する仕組みも実用化されてきています。
また、アウトドアメディアのコミュニケーションの手法も進化しています。天候やSNSの投稿数に応じて最適なコンテンツをデジタルサイネージで放映するようなことが可能になっていることに加えて、ポスターなどの紙媒体でも、スマートフォンを使ってAR広告を掲出できるサービスも登場し、情報受容性の高いロケーションで最適なタイミングに、五感に訴える情報を発信することが可能になっています。
デジタルロケーションメディア・ビジネスセンターの「移動する生活者調査」によると生活者の平日の一日平均外出時間は5.4時間。メディア環境研究所が実施している「メディア定点調査2019」ではスマートフォン所有率が東京で82.2%となっています。
つまり生活者は常時デバイスに接続しながら屋外を移動しています。ここに5Gが加わることで、人とスマートフォンだけでなく、サイネージや家電や家屋、オフィスなど様々な物が繋がってきます。これらが外部データを取り込みながら、高度なコミュニケーション手法に乗って超高速にデジタルで繋がることで、場面場面、一人一人に応じてその人が思いにもよらなかった潜在的な欲求を常に満たしていくサービスがSF映画のような世界観で出現していく可能性が出てきています。
アウトドアメディアの広がっていく可能性の中で、私たちは新しい技術をどのように使い広告主、生活者にとって利便性が高く、常にワクワクするようなサービスを提供していくかを日々考えながら取り組んでいます。
沢村健吾
博報堂DYアウトドア
博報堂DYグループ各社で長く使われてきた、メディアの広告ビジネスに携わる人のためのデータブック。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の出稿広告主ランキング、ネット広告の種類・効果指標、ターゲット別メディア接触状況など、各種情報が詰まった「今すぐ使える」1冊。今年はメディア環境研究所所長が「メディア環境のこれから」について語ったインタビューに加え、東京五輪を目前に控えた今、押さえておきたい「2019年のスポーツコンテンツビジネス最新動向」も収録しています。
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