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コラム

第57回「宣伝会議賞」審査員リレーコラム

書けば書くほど手ごたえがある、宣伝会議賞。――神戸海知代

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【前回】「『タイプ別 宣伝会議賞の活かし方』――武井慶茂」はこちら

第57回「宣伝会議賞」応募締め切りの11月6日まで、残り約2週間となりました!
募集開始から、第57回「宣伝会議賞」の審査員の方々のコラムをリレー形式で掲載してきた本連載も、ついに最終回。今回は、神戸海知代さんが登場します。

神戸海知代
かんべ笑会
コピーライター/コミュニケーションプランナー/クリエイティブディレクター

TCC会員、九州ADC会員、JAPAN MENSA会員。2016年かんべ笑会を福岡で開業。クライアント直の案件も、広告代理店や制作会社と連携する案件も、いろいろなニーズに向きあう毎日。最強のクライアントは、4歳の息子そーすけ。ぐいパン「パンツは、よごれるためにある。」、ふくや「また、送ってね。と言ってほしいから。」など制作。TCC新人賞、日本雑誌広告賞・経済産業大臣賞、消費者のためになった広告コンクール・金賞など受賞。

 

こんにちは。

宣伝会議賞の一般部門の審査を担当します、神戸海知代といいます。かんべみちよ、と読みます。産休をはさんでここ数年、審査をさせていただいています。貴重な体験です。そのなかで感じたコトを書きますね。よろしくおねがいいたします。

ツイッターはあまり熱心ではないのですが、10月1日に下記のツイートをしたところ、事務局の方から「コラム書いてみませんか」とご連絡をいただきました。以下がそのきっかけになったツイートです。

10月です。宣伝会議賞の締め切りは 2019年11月6日(水) 13時。1日30本書いたら1000本超えちゃいますね。量より質だといわれるけれど、やっぱりたくさん書いて書きながら考えぬいて、はじめて到達した発見は強いと思う。意志のチカラがコピーになる。

賞を獲るためだけでなく実務のなかでも、たくさん書いて一つひとつ検証することはほんとうに大切です。まさにいま、実感しているところです。

大型の台風がやってきて予想外の被害に見舞われ、世の中が繊細で敏感になってきています。わたしが関わっている案件でも「企画をイチから見なおしたいと考えているので再提案してもらえますか」というオーダーが2社からありました。制作するつもりだった企画のなかにネガティブな要素が見られるため、広告を見た人を元気づけるポジティブな表現に変えたほうがいいのではないかと。

企画を決めるのが1か月ほど早かったら、そのまま制作していたにちがいありません。でも、何十年も変わるはずのなかった風景が、まもってきた日々の暮らしが、わたしたちの意思と関係なくいきなり変わってしまうこともあるんだと、経験をとおして学びました。

どんな状況に出会ったときにもうろたえずに向きあえるように、伝えたい想いをしっかり伝えてわかりあえるチカラが求められています。たくさんの可能性を引きだして検証する、それは企画やコピーを書く行為とシンクロしています。だから、老若男女、年齢も職業も国籍も問わず、宣伝会議賞にトライすることはたいへん有意義だと感じています。この想い、伝わりますように。

たくさんの企画やコピーを審査していてピンとくる要素はなんですか、という質問をよくいただきます。わたしもそれがわかっていたら、世界中の広告賞を総なめにしているところでしょうが、残念ながらまだ実現できていません。ただ毎年わたしの担当しているカテゴリーから受賞者が出ていて過去にはグランプリも出ているので、きっとゆるがない要素があるんでしょうね。あの感覚を思いだしてみます。

たくさんのなかでハッとさせられるメッセージには、生身の人間とブランドや商品とのつながりがこれでもか!というほどに詰まっています。わたしはその感情を「いじらしい」というコトバでとらえています。かわいくて、かわいそうで、たまらなく人間らしい。

宣伝会議から出ている書籍『名作コピーの時間』にも書かせていただきました。この本には、わたしも尊敬している方たちが選んだコピーとその理由が書かれていて、読むたびに参考になりモチベーションがあがります。こんなタイミングに紹介してすみません。

アイデアフラッシュの息抜きに読んでいただけるとうれしいです。もとい、宣伝会議賞のよさは参加すればするほど手ごたえがあるところにあると思います。それは、人生への手ごたえだといっても過言ではありません。わたしも、きたえつづけていきます。

現在、第57回「宣伝会議賞」特設サイトを開設しており、11月6日まで応募を受け付けています。第57回「宣伝会議賞」の応募要項、課題一覧を掲載した月刊『宣伝会議』10月号、課題のオリエンを掲載している月刊『宣伝会議』11月号(10月1日発売)は、現在絶賛発売中です。