※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。
課金の手段があったほうが健全
加藤さんは、2011年12月にピースオブケイクを設立。現在、メディアプラットフォーム「note」とコンテンツ配信サイト「cakes」といったWebサービスを運営しています。
文章や写真、イラスト、音楽、動画などを投稿できる「note」のサービスについて、「フォロー機能などでお客さんと長期的な関係をつくりやすいのと、(投稿されている)コンテンツに対して課金ができる仕組みがあるのが、最大の特徴。いままではメディアの人しかできなかったようなことが、個人でも(簡単に)始められるのが魅力」とアピール。
そんな「note」は今年、投稿するクリエイター、読者ともにユーザー数が増え、躍進を遂げます。年初に1000万人だった月間アクティブ・ユーザー数(月1回以上サービスを利用したユーザー数)が、9月には2000万人に倍増。「多くの有名人が使っているTwitterぐらいにまで近づきたい」と意欲を語ります。
一方、「cakes」のサービスについては、「雑誌みたいに、有料のコンテンツをプロが書いて配信するサイト」と説明。「どちらも共通しているのは、クリエイターが作品をインターネット上に載せて、それをみんなに見てもらって、必要であれば収益も上げられる。クリエイターのためのプラットフォーム」と言います。
ハヤカワさんが、「note」のサービスを設計する上で意識したことを尋ねると、「続けることがけっこう重要。(課金などの)いままでなかった機能をフォーカスした」と回答。
というのも、「出版やテレビ、ラジオなどは、続けるための仕組みが内包されている。いままでインターネットのエンジンって広告だった。PV(ページビュー)が増えれば増えるほど収益が上がるけど、厳しい表現や煽り表現、コピペなどが溢れがちで。広告だけに頼っているアーキテクチャ(構造)の原因が大きく、課金の手段があったほうが健全だろうなと思った。課金がすべてではないけど、必要であれば収益が上げられ、お客さんと長期的な関係性が築けて、平和でいい空間のほうがモノづくりしやすい」と強調しました。
