コラム

「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット

第3回 第2章 「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット

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【前回】「第2回 第1章 『恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』ディレクターズカット」はこちら

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』の著者、小霜和也氏が本書では収録しきれなかった内容をお届けするコラム。本書と合わせてお楽しみください。

「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」
著:小霜和也
発行:宣伝会議
詳細・購入はこちらからご覧ください(宣伝会議オンラインはこちら)(Amazonはこちら

こんにちは、小霜です。
本書への質問が届いていますので、今回もその回答から始めたいと思います。

Q.「第2章」で「企画1秒!」とありますが、これはどういう意味でしょうか。

A.メインエージェンシーとしてずっとブランドに関わっているのなら、次にどういう商品が出ていつオリエンが来るかは予期できるはずで、オリエンが来た瞬間にもうプレゼンできなければいけない、という理屈です。それはわからないでもないですが、主に再プレでスケジュールがヤバい時に頻繁に使われてました。「それは理屈が合わないのでは…」とはとても怖くて口に出せませんでした。

さて、第2章では、マーケティングに携わる「人」の問題をクローズアップしています。
削除したのは、

P.90
個人的には、「マーケティング」「製造供給」「財務」「投資」の四本柱であろうと思っていますが。イノベーションを採り入れるためのM&Aが盛んですし、やや話が逸れますが、あまり一般の人には知られていないこととして、日本は貿易よりも何よりも海外への投資で儲けている国です。投資立国です。日本の経常収支を見ると、2018年度の海外投資から得られた収益(第一次所得収支と呼びます)は貿易収益の20倍近くに上ります。

経営の柱ってことで言えば「投資」は外せないと思うのですけど、それをここで持ち出すと話がどんどん長くなっていきそうで止めました。外せないとは言え、スタートアップやベンチャーへの投資はヒートアップの感がかなりありますね。ユニコーンになった結果として投資元との関係で結局上場できず仕舞とか。華々しく上場した企業も、その途端に成長ストーリーの嘘がバレて東証から証券会社通じて経営戦略やり直しを迫られたりとか。成功に見えて失敗だらけのようです。また話が長くなってる…。

P.94
「動画面接」が拡がっているのをご存知でしょうか。実際に会うのではなく、自撮りした自己アピール動画を送ってもらうんです。これの恩恵としては、効率的に多くの面接をこなせるとか、海外まで足を運ぶ必要がないとかいろいろあるんですが、実はAI分析が絡んでてですね、その人の表情や話し方から頭の良さがわかると言うんです。アピール内容はどうでもよくて、そこを見てるんです。もはやディストピアの世界ですが、「ここで嘘をついた」というのも判定してくれるとか。業界系の記事なんて失敗を成功と言い替える嘘で蔓延してますが、いわゆるマーケティングセレブと呼ばれる人たちも自分の失敗を成功と言い換えて転職しようとします。それを見抜くには動画面接は最適かと。導入されたい方にはご紹介しますよ。

動画面接の裏情報を書いてしまうのはマズいかなと思い削除しました。あ、ここで書いちゃった。マズいかな…。

P.107
時々、宣伝担当に「広告オタク」がいます。「監督は〇〇さんかなあ、カメラはやっぱり〇〇さん?」とか、そんなことばかり言ってて、毎年カンヌでエージェンシーに接待されてウェーイな人です。広告オタクと名物宣伝部長とは全く異なります。名物宣伝部長は戦略性に基づいて実効力を伴うPromotionにこだわってました。広告オタク担当者は30年ぐらい前ならいざ知らず、現在では百害あって一利なしと僕は感じています。ブランドであれ何であれ、衰退させるのは「ファン」です。ファンは生活者側にいてくれるといいんですが、プレイヤー側に来てしまうと、全盛期の模倣をしたがるので、新しいチャレンジの障害になるんですよね。

30年ほど前は宣伝部員全員がこうだったと言えるかも。今でもたまにこういう方いらして困ります。

P.107
エージェンシーが宣伝部長に「逆パワハラ」している話も耳にしますね。エージェンシーが契約で守られていたりすると、(優秀な故に)目障りな部長を排除するためちょっとしたことで「パワハラされた」と社長に訴えたり。こんなものをまともに受け取って「まあまあ穏便に」なんてやってるとせっかくの有能な人材を失いますよ、社長。

呆れ果てる事例ですが、これは自分が関わっていない伝聞なので削除しました。

P.125
逆に官公庁のコンペはほとんどが純粋に公平です。そのための弊害もあるんですよ。全ての企画がイマイチでもどれかを選ばないといけないとか、サービスする体力あるエージェンシーしか参加できない(公平であるがゆえの不公平)とか、一社ばかりに偏ってしまって「癒着してるんじゃないか」と逆に疑われるとか。

官僚っていろいろ疑いの目で見られがちですが、疑われにくくするカモフラージュができないんです。私企業だと1社に偏りすぎるとちょっと他社にも発注しとこうか、みたいな「公平に見せるための不公平」ができるんですけども、官公庁はそういうことをしないので、逆に裏で何かあるぞと思われちゃうんですよね。

今のエージェンシーは、クライアントがいるプレゼンや撮影にしか顔を出さないCDとか、フィーを稼ぐための人数の水増しとか、「人」の問題山積なのですけどキリがないので本書に書いてる分で留めました。闇営業についても触れようかと思いましたが、これも伝聞なので止めました。何か理由を付けて会社じゃなく自分個人で広告主の発注を受ける営業さんがいるようで、背任行為に当たるでしょうから巻き込まれないようお気をつけください。

次回は「第3章」です!

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。

<目次>

はじめに


第一章 社長、まずはマーケティング部をなくしましょう
・マーケティング=価値の創造
・マーケティングの4P
・総力戦の時代
・マーケティング部を宣伝部に戻す
・貯めるべきもの3つ「直感力、共有知見、データ」
・忖度のない体質がマーケティング体質


第二章 「名物宣伝部長」はどこいった
・管轄外の責任を負わされる宣伝部長
・広告業界の構造的問題
・宣伝部とエージェンシーの深まる溝
・CMOに「4P」全部預けられるのか?
・社長と部長はパートナー


第三章 御社は「ミドル・ファネル」作れますか?
・ミドル・ファネルから作る
・外してならないファネルだけが外れてる
・トップ、ミドルのクリエイティブを寸断させない
・社長は「トータルCPA」を見る
・部門「間」がますます重要に


第四章 やっぱし事件は現場で起きている
・制作現場の実状
・戦略、メディア設計、クリエイティブの順に
・現場の忖度で得体の知れないものができあがる
・社長が「おかしい」と感じたら、何か起きている


第五章 「Vision」の本当の話をします
・時代変動の中で自分は何者か再点検
・Visionを間違うと正しいマーケティングはできない
・Visionの話(つづき)
・Values
・オレのCI


第六章 テクノロジー変わるマーケティング思想変えるビジネスモデル変える
・新たなマーケティング思想、カスタマーサクセス
・競合より顧客の動向を見て成功する
・広告という神話
・顧客を手放さないサブスクリプション
・商品は優れていても、ビジネスモデルで負けていないか
・テクノロジーが新しいビジネスモデルを閃かせる


第七章 不買運動が起きてます!
・SDGsはイケてる
・誰かを変えるCSR、自分を変えるCSV
・ESG投資で変わる企業の戦い方
・Belief Driven
・次世代の動き
・SDGsはこれからの参加資格
・IRで商品Promotionの土壌をつくる


第八章 社長、さっき言いかけたことですが


おわりに

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