日本のデジタル競争力は世界で23位という現実から見えてくること。
21世紀のいま、多くの日本企業が注目する主要なテーマのひとつにデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)があります。スイスのIMDがデジタル競争力の国際比較として出している「IMD World Digital Comeptitive Ranking 2019」によると、日本は国際的なDXのランキングで23位と、いまだ20位以内にも入っていません。ちなみに2019年は1位がアメリカ、2位がシンガポール、3位がスウェーデンという結果でした。
もちろん、このランキングは国単位での比較であり、社会生活における様々な要因が影響することなので、企業の能力だけが評価の対象となっているわけではありませんが。
しかし、このレポートによれば、日本はスマートフォンとインターネットのブロードバンド通信の普及のようなテクノロジーのインフラについては評価が高いものの、テクノロジーに関するスキルといった知識面、ビジネスにおけるデータ活用の遅れなどが弱みとして指摘されています。このことから、日本企業のデジタルトランスフォーメーションが遅れているという指摘もできるのではないかと思います。
グローバル市場でビジネスをしている日本企業においては、研究開発領域は戦いがさらに激しくなり、競争力の低下が憂慮されています。特にデジタル領域の研究開発は、メガプレイヤーの圧倒的な力を前に、日本企業は後手に回っているという認識があるでしょう。一方で外資系のプレーヤーは、DXの浸透に今後の成長可能性があるとみて、有望市場として捉えていると言えます。
DXとは当然のことながら、消費者向けのソリューションやロボティックスのようなサプライチェーンの「道具」の浸透といった認識で、捉えるものではありません。トランスフォーメーション(変革)という点では、経済の構造が変化するのに合わせて、「テクノロジー(技術の発展)」がどのようにビジネスを変えていったのかを、より広い視点で考えてみるべきです。なぜなら歴史を振り返れば、技術革新がさまざまな構造変革に寄与し、それが現在の社会につながっていることがわかるからです。
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