電通のコピーライターである橋口幸生さんが、昨年12月『言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術』(宣伝会議)を出版しました。その刊行記念として1月20日に代官山 蔦屋書店で、『読みたいことを、書けばいい。』の著者・田中泰延さんとトークショーを開催。言葉のプロ2人が読みやすい文章を書く極意を伝授しました。
仕事で使う文書の書き方はなぜか誰も教えてくれない
田中:
橋口さんは昨年末に『言葉ダイエット メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術』を出版されたわけですが、これだけは覚えて帰ってください。この本は読むところしかない。いや、文字で書いてあるんだから当たり前や(会場笑)。間違いないです。今日はそんな橋口さんの非常にタメになるお話をうかがおうと思います。
今回、文章術の本を出すきっかけは何だったのですか?
橋口:
ある1本のメールです。内容を簡潔に言えば、現場がOKを出した企画に社長がNGを出したので再考してくれという内容なのですが、これが非常に長々と、しかも遠回しに書いてあり、わかりづらかった。私は新卒で広告会社に入社したのですが、今までこのメールに限らず数多くの読みにくい文章を見てきました。
田中:
あー、この人、悪い人じゃないんですよね。真面目で真剣で礼儀を尽くさなくてはいけない、人を怒らせてはいけないと思っているから長く読みづらい文章になる。
橋口:
でも不思議なことに、これを理解できる人も多いんですよね。周りの人もそこそこわかってしまうから、改善されないんです。本当は僕のようにあまり空気が読めない人間でも理解できる文章を書く方が、空気を読める人も含めて皆が幸せになると思うんですよ。


