増えるオンライン配信「無観客で話すのが苦手」どう克服する?

【前回コラム】「ウェビナーやオンライン会見の話が面白くない!3つの対応策で解決を」はこちら

新型コロナウイルス感染症の流行により、ウェビナーやオンラインでの記者会見を導入する企業が増える昨今。前回に続き、オンライン配信ならではの“伝わる”プレゼン技術について、『緊張して話せるのは才能である』(宣伝会議)著者で、主に経営者を対象にプレゼンなどのコンサルティングを手がける永井千佳さんが解説します。

©123RF

「ウェビナーやオンライン会見で話す機会が今後増えそう。だけど、カメラを前に話すのはどうも慣れなくて……」と、苦手意識を持っている人は多いものです。そこで本コラムでは、対応策を3回に分けてご紹介しています。

対応策1:コンテンツをオンライン用に修正しよう(前回)
対応策2:オンラインの話しにくさを克服しよう(今回)
対応策3:オンライン・コミュニケーションは3割増にしよう(次回)

対応策2:オンラインの話しにくさを克服しよう

前回は、リアルの場で用意するコンテンツをオンライン用にアレンジする方法をレクチャーさせていただきました。いつも上手に話せる人でも、オンラインで突然話せなくなることはとても多いものです。そこで今回は、オンラインならではの「話しにくさ」を取り除く方法を2つ、提案したいと思います。

(1)カメラの横に熱心な聴き手を用意しよう
(2)「台本を読み上げるだけ」は絶対NG!

(1)カメラの横に熱心な聴き手を用意しよう

無観客の状態が苦手という人は、カメラの横に熱心な聴き手を置くことをおすすめします。同僚でも後輩でも、構いません。完全なる無観客ではなく、自ら観客がいる状態にしてしまえばいいのです。

リアルのイベントでは、話し手は聴き手とアイコンタクトを取りながら話しています。プレゼンの名手ほど、目に見えない観客とのやりとりを大事にしています。「目は心の窓」と言われるように、アイコンタクトにより心が伝わって、聴き手は共感し「もっと聞きたい」と無言のメッセージを返してくれます。熱心な聴き手がうなずいてくれる様子が目に入ると手ごたえを感じ、心強いものです。

しかし無観客だと目の前にあるのはカメラのみ。アイコンタクトを武器とする、プレゼンの達人であるほど話しにくくなります。考えてみれば当然のことですね。

カメラの横に聴き手がいれば、その人とアイコンタクトを取ることで話しやすくなり、リアルさながらのプレゼンになります。また話し手の多くは反応のないカメラと視線を合わせることに慣れていないため、視線がつい下に向きがちになります。聴き手にカメラの横に座ってもらえば、話し手がカメラに視線を向けやすくなります。すると映像を目にした視聴者は、まるで一対一で話をされているように感じます。

あるいは、「どうしてもカメラに向かって話すのが苦手」という場合、話を引き出す話者を用意して対談形式のコンテンツにするのもいいかもしれません。

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