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企業に寄り添いながら、クリエイティブの力で未来を一緒に考えていく — ntd

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BtoB企業のブランディングなど広告を中心に、さまざまなグラフィックデザインを手がけているntd。代表であるアートディレクター中嶋貴久さんは「企業と一緒に、5年後、10年後になりたい姿を考えていくパートナーでありたい」と話す。

中嶋貴久さん(中央)とntd のメンバー。

発想の深度を縦に掘り下げていく

2018年の第67回日経広告賞にて大賞に輝いたクボタの「壁がある。だから、行く。」のシリーズ広告。食料・水・環境分野の課題解決に挑戦するクボタグループの姿勢を真摯に表現したコピーとアーティスティックな写真を使ったビジュアルを組み合わせ、高い評価を得た。この広告のアートディレクションを手がけたのが、ntd中嶋貴久さんだ。

「前職からご一緒させていただいている旭化成もそうですが、事業構造的にビジネスと社会貢献とを両立しやすい企業とご縁があるようです。発信すべきファクトはあるのに口ベタで気づいてもらえない……そんな企業と一緒に5年後、10年後になりたい姿を考えていく、そういうパートナーでありたいと思っています」。

クボタ/企業広告

電通から独立してntdを立ち上げ、この4月で8年目を迎える。「30秒のCM、30段の新聞広告といった枠の中だけで企画を考えるのではなく、発想を広げて……それも横にではなく、縦に深度を掘り下げていく。そういうアプローチで企業に寄り添いながら、上流から下流まで一気通貫したクリエイティブをつくる」ことを実現したい。

「どんな仕事も入り口から入らなければ、いいかたちで出口から出て行くことはできませんから」。そのため、アートディレクションの領域だけに留まらず、時には映像やデジタルまでも考える。また、広告で伝えるポイントについてはクライアントのレベルに近づくまで、取材や調査を徹底することもある。

「課題が複雑化してきた今、ロジックだけで答えを見つけようとすると、どの企業も答えは同じになる。そこで違う答えを見つけられるのが、アートディレクターではないかと考えています」。

“What”ではなく“Why”を伝える

旭化成/企業広告

深度を増していくやり方は、電通時代の旭化成との仕事で学んだ。「イヒ!」というキャッチフレーズで認知度向上とイメージアップを図ることに成功した同社だが、BtoB企業にとって大切な研究開発力や製品力を取引先をはじめ社会全体に伝えるという意味では物足りないところがあった。

「きちんと業容を伝えたい、グローバル企業であることをアピールしたいということがオリエンにあたっての2大テーマでした。

そこで、延岡、水島、富士の3工場を中心に拠点をまわり、約3カ月かけて研究内容や製品について取材しました。後にノーベル賞を受賞された吉野彰先生にリチウムイオンの話をうかがったり、プレスリリースを過去に遡って読み込んだり。そして、当時の社会問題と結びつけるポイントを考えた末、完成したのが問題と答えで構成した、新聞45段の広告でした」。

2007年に開始したこのシリーズ広告は「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します」という旭化成グループの理念に回帰するメッセージとして制作された。排水処理膜『マイクローザ』など、毎回テーマとなる製品の技術力を伝えながらも、見た人が自分のこととして捉えられるよう、地球環境の問題を美しく表現し、厳しい現実から目を反らさない作りに仕上げている。

この新聞広告での経験が、冒頭で紹介したクボタの企業広告へと繋がった。世界トップクラスの農機メーカであり社会貢献度も高いが、ブランドとしての認知度がそれに釣り合っていなかった。

「日本企業の多くは、商品サービスの広告については積極的ですが、自社のPRとなると気後れしてしまうような傾向があるように思います。そこに僕たちが寄り添って、“What”だけではなく“Why”を伝える広告を一緒に作っていければ、と」。

まず、クボタのグローバルアイデンティティについて理解を深めるといった上流からアプローチし、プロダクトヒーローの広告にしたいという要望に応えるべく、主力トラクターの歴史から海外で農業が機械化される意義までも取材。さらに調査を通じて理解を深め、広告表現に落とし込んでいった。

旭化成もクボタも「SDGs」という言葉がクローズアップされる前から取り組んできたことが、今の時代とつながった。長年の仕事で培われた、SDGsをキーワードとする事業デザインや企業ブランディングは、まさにntdの強み。そんな中嶋さんが今関心を持っているのは、地方に埋もれている産業に光をあてること。「地方にはいいものが沢山ある、そこには僕らが手伝えることが、まだまだありそうな気がしています。広告の枠を超えて、またメディアにも捉われず、アートディレクションの力でお手伝いできることがあれば、クライアントと一緒に課題解決に挑んでいきたいです」。

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