SNSは、広告枠ではない
SNSは、企業のモノではない。
はじめに、ソーシャルメディアマーケティングにおいて、絶対に意識しなければならないことがあります。それは、「SNSとは誰の場所であるか?」ということ。
結論から言えば、SNSは宣伝に携わる私たちや企業の場所ではありません。「人」の場所です。単なる「メディア」という枠ではないのです。
その長い歴史から、広告がインサートされることが文化として根付いているマスメディアと異なり、SNSにとって企業はいわば植民地化を狙う開拓者。
その投稿は、広告だろうがオーガニック投稿だろうが関係なく、好きなことを話題にし、コミュニケーションを楽しむ自分たちのタイムラインを脅かす存在なのです。脅かすという表現すらも、まだ甘いかもしれません。タイムラインを眺めるユーザーを脅かす以前に、一瞬で部外者と判断され、その存在を画面の外に追いやられてしまうというのが現実です。
そんなSNSと上手に付き合うには、まず広告枠としてではなく、「人」としてこの新しいメディアを捉えるべき。コミュニケーションの相手を想像することがソーシャルメディアマーケティングの基礎であるとも言えます。
ただ、一点誤解して欲しくないのは、ここでいう「人」とは、決して単なるデモグラフィック属性で捉えたプロフィール情報ではないということ。無数のコミュニティーが存在し、シェアされる情報も、趣味趣向も、そもそもSNSの使い方すらも異なる人々。そこでの行動や生活をしっかりと見極め、広告主からの投稿にどんな気持ちになるか、想像し尽くすことで初めて上手に付き合える存在といえます。
当記事では、SNS上のコミュニケーションにおいて、誤解しやすい点について説明していきたいと思っています。
SNS動画は5秒が勝負
その鉄則、間違いです
デジタルビデオというマーケティング手法の普及に伴い、あらゆるプレゼンで登場するキラーフレーズが誕生しました。「デジタルビデオは冒頭5秒が勝負です」。
確かにオープニングから視聴者の興味を喚起して、スキップされないためにテレビCMと考え方やつくり方を変えることは、当然機能するテクニックです。しかし、私はそんなテクニック論に疑問も持っています。なぜなら、SNSでは5秒すら楽観的だと考えているからです。その理由は、SNSのユニークな性質にあります。
