『僕たちの広告時代』 — はじめに 間宮武美著

私は小さい頃、父親から“べらたけ”と言われていた。べらべらしゃべるおしゃべりな武美だから“べらたけ”なのだ。いまだにその習性は、少しも変わらないらしい。仲間たちからも話が長すぎると、よく言われる。

間宮武美『僕たちの広告時代』宣伝会議
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最近、パソコンを小型の持ち運び自由なものに変えた。家の近くのファミリーレストランの片隅で、お客の少ない時間帯にコーヒーをお代わりしながら、黙々と本書の原稿の推敲を重ねている。書斎の作業よりも、なぜか集中できるからだ。調べたいことがあるとパソコンやスマホですぐに確認ができる。ものすごい便利な時代になったものだ。

平成から令和という時代に移り、広告業界はデジタル化社会の台頭で、ますます大きな変化の時代を迎えている。特に広告を囲むメディア環境が大きく変化してきた。メディアがチャネル(多数の情報経路)に拡大し、広告はエンゲージメント(生活者と親密な連携)へと役割が加速的に変化してきた。

従来のメディアであるテレビや新聞からの情報収集が、パソコンからの情報収集に変わり、さらにスマホからの情報収集へと、コミュニケーション行動が多様化してきた。チャネルが変われば広告の目的も変わり、企画や表現も変わってくる。同時に日常生活も面と向かった会話から、メール中心のコミュニケーションに移行している。

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