「とっくにネタは尽きた」それでも面白さを追求し8年続くCMに — トライグループ/家庭教師のトライ「教えて!トライさん」

『ブレーン』2020年11月号の特集のテーマは、「制作環境の変化で広がるキャラクター活用」です。
今回は、特集の中から「トライグループ/家庭教師のトライ『教えて!トライさん』シリーズ」の記事を全文公開。他にも、ゼスプリインターナショナルジャパン「キウイブラザーズ」、東京ガス「パッチョ」、『はたらく細胞』、バーチャルヒューマン「MEME」などさまざまなキャラクターを紹介ししています。

商品の魅力を分かりやすく伝える
フォーマット「教えて!トライさん」

アニメ『アルプスの少女ハイジ』のキャラクターへのアテレコでおなじみのテレビCM「教えて!トライさん」シリーズ。トライグループが提供する「家庭教師のトライ」のオリジナルキャラクター「トライさん」が、ハイジに勉強を教えるというストーリーがベースにある。方言、クイズ番組風、漫才など常に新しい表現を取り入れながら、ユニークなCMを世に送り続けている。これまでに制作した本数は、秒数などのバリエーション違いも含めると、なんと215タイプにも上るという。

2012年からスタートした同シリーズ。最初のアイデアについて、当時から企画を担当する電通クリエーティブディレクター野﨑賢一さんは、「トライのマンツーマン教育の魅力を分かりやすく伝えるフォーマットが何かないかと、澤本嘉光さん、篠原誠さん、東畑幸多さんと探していました。そこで、思いついたのが、テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』の主題歌『おしえて』の『おしえておじいさん』という歌詞でした。アルプスでの暮らしを教えるのがアルムおんじであれば、勉強を教えるのはトライさん。アニメの本編にもハイジが勉強をしているようなシーンがあり、ぴったりでした」と話す。

アニメのキャラクターであるハイジやクララ、アルムおんじたちに加えて、家庭教師のトライのオリジナルキャラクタートライさんをつくり、登場させたのも本シリーズの特徴だ。『アルプスの少女ハイジ』の世界に本来は存在しないトライさんがいることで、物語が変化し、展開が広がる。

トライさんのキャラクターを設定する際に、大切にしていたのは、異物感だという。「スーツ姿で眼鏡をかけた男性」は、ハイジの世界ではありえない存在。何パターンもデザイン案を出すなど試行錯誤し、ハイジの世界観とはあまりそぐわないが、信頼感のあるキャラクターに仕上がった。

実はトライさんの職種である「教育プランナー」は、トライのサービスにおいても重要な役割を果たしている。生徒一人ひとりの成績アップや合格に向けて、教師と連携して成長をサポートしており、CMの世界と現実世界を繋げる役割も担っている。

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