月刊『宣伝会議』11月号では、ゼミの活動として「宣伝会議賞」に挑戦する、阪南大学の大野茂教授とゼミの卒業生に話を聞きました。
なぜ「宣伝会議賞」を授業で取り入れるのか?その理由に迫ります。
第58回宣伝会議賞「学生チーム対抗企画」へのエントリーはこちら!
※10月1日発売の月刊『宣伝会議』11月号は、第58回「宣伝会議賞」課題発表号です。ここでは、本誌に掲載した記事を公開します。
日常に溶け込んでいる広告制作の裏側を体験させる
「宣伝会議賞」はこれから社会に出ていく大学生の応募が多いことも特徴のひとつだが、個人応募だけでなく、大学の授業に取り入れられ、ゼミなどのクラス単位で挑戦するケースも多い。「宣伝会議賞」を授業に採用する理由はどこにあるのだろうか。阪南大学で広告や放送のメディア論を研究している大野茂教授は、「宣伝会議賞」の魅力について、学生たちに、広告を「自分ゴト化」させるのに最適な教材だと語る。
「私のゼミでは、3年生を対象に『宣伝会議賞』に応募させるようにしています。広告は日常生活のあらゆるところに存在していますが、学生たちは広告がどのようにつくられているのかも、コピーライターという存在も知りません。どうすれば学生たちが少しでも広告ビジネスに触れられるだろうかと考えたとき、『宣伝会議賞』への応募を思いつきました」(大野氏)。
広告制作の裏側を知らない学生たちは、どうしてもビジュアルや出演する俳優などに注目してしまい、広告コピーの存在には目が向かないケースが多いという。
「あの1行を絞りだすために、どれだけの時間と労力をかけているのかということを、学生たちに知ってほしいと思っていましたが、何事も実際に触れてみたり、やってみたりしないとその大変さを知ることなんてできませんよね。他人事だった広告を『自分ゴト化』させるためにも「宣伝会議賞」は良い教材だなと感じています」。
プロと同じフィールドで戦い社会とのつながりを体感する
大野氏は、もともと電通に勤務していた経験があり、そのノウハウを生かして、学生たちがメディアについて主体的に学べるような教育環境づくりに力を入れてきた。「宣伝会議賞」は、学生がプロと同じ土俵で戦うことができる数少ない広告コピーの公募賞のひとつ。社会や世の中のつながりを知るという意味でも、学生時代の「宣伝会議賞」への応募経験には価値があると、大野氏は続ける。
「学生が広告活動をアクティブラーニングする機会は、ほぼありませんが、『宣伝会議賞』では企業から実際にお題をもらい、オリエンに沿ってコピーをつくるという広告の制作過程を疑似体験することができます。ここに学びの要素が詰め込まれていると思っていて、プロや社会人と同じ土俵に立ち、社会とのつながりを意識できることは、これから就職活動をする学生にとっても大きな糧になるはずです」。
