世界で最も快適とTIME誌が称すシューズ、CO2排出量を表示する理由

サステナブルな素材と快適さにこだわるシューズブランド、オールバーズ。雑誌『TIME』が「世界で最も快適な靴」と商品を称し、レオナルド・ディカプリオが出資するなど、共感を呼んでいる同ブランドは、随所で自らの使命や姿勢を発信している。

※この記事は『広報会議』2020年12月号にて掲載。9月3日開催の「アドタイ・デイズ 10th Special Days」での講演をもとに構成しています。

世界初のサステナブルなライフスタイルブランドを目指す

投資家であり、アンバサダーでもあるレオナルド・ディカプリオは、PRビデオにも出演。「素材にこだわるってどういう意味なんだろうか?」と問いかける。

ウールやユーカリの木、サトウキビなど自然素材を生地やソールに使い、ペットボトルから靴ひもをつくるなど、環境への負荷を減らした履き心地のいいシューズを追求する「オールバーズ」。

2016年に元サッカー代表選手のティム・ブラウン氏とバイオテクノロジーの専門家ジョーイ・ズウィリンジャー氏が創業し、これまで約200億円以上の資金を調達。シンプルで無駄のないデザインのシューズは、オバマ元大統領やグーグル共同創業者のラリー・ペイジ、俳優のアシュトン・カッチャーなど著名人も愛用する。

ミッションは「世界初のサステナブルなライフスタイルブランドを目指す」。いいプロダクトであり、サステナブルであることを軸に、フットウェアに続きアパレルなどのラインアップも拡大中だ。現在35カ国で購入でき実店舗は22店。日本では2020年1月原宿に1号店がオープン。4月にECをスタートした。

「サステナブルな商品を購入しますか?」と問いかける調査を3月に同社で行ったところ、米・英では7割が「はい」と回答したのに対し、日本では3割にとどまった。だが、リアル店舗で一番売り上げているのは日本という結果に。「コロナの影響で、ライフスタイルも変わり、日本においてもサステナブルという言葉が普段から使われる時代になってきたと感じています。口に入れるものの産地を気にするように、身に着けるものへの意識も変わっていくと思います」とMarketingDirectorの蓑輪光浩氏は話す。

原宿店の様子。サステナビリティや履き心地といった、ブランドが目指すものが店内からも感じ取れる。

自分たちは完璧じゃない

オールバーズの社内でよく使われている言葉には、先述のミッションや同社のカルチャーが表れている。「孫の世代に誇れる仕事を」「気候変動は緊急性の高い課題」「Better Things in aBetter Way」「自分たちは完璧じゃない」「自分たちだけで解決できない」。

同ブランドでは、環境問題の中でも気候変動に焦点を絞りチャレンジを行っており、「より良い方法でやっていくには、自分たちだけでは解決できない」と素直に伝えることで新たなパートナーシップも生んでいる。5月に発表したアディダスとのコラボレーションは、「気候変動の問題を、手を取り合って解決したい」と素直に相談しに行ったことがきっかけだったという。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ