令和3年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。昨年は、新型コロナウイルスが全世界に激震をもたらした1年でした。新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでにお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、健康面や生活面で影響を受けていらっしゃる方々には、心からお見舞い申し上げます。そして、日々、この感染症の終息に向けて力を尽くしてくださっている保健所職員や医療従事者の方々、検査機器や医療用物資の円滑な供給に貢献していただいている事業者の方々に、改めて敬意を表し、感謝を申し上げます。
見えないウイルスと闘うため、人類は今もなお、接触や移動の回避を余儀なくされています。今年こそ、この未曾有の危機を乗り越えるため、私たちは、「新たな日常」に向け、生活様式のみならず、産業構造や社会システムを一気に転換していかなければなりません。
これから先に訪れるウィズコロナ・ポストコロナの時代に向け、私たちが抜本的に取り組みを強化すべき分野は、「デジタル化」、「グリーン社会」への転換、「健康・医療」分野の新たなニーズへの対応、サプライチェーンの再構築をはじめとする「レジリエンス」の強化です。
国際社会からは、米中関係の緊張の高まりや英国のEU離脱などが起こる中で、自由貿易の旗手としてのわが国の行動も期待されています。最重要課題である原子力災害からの福島の復興についても、着実に歩みを進めていかなければなりません。
経済産業省は、こうした課題に対し、ひとつ一つ、真摯に取り組んでまいります。ここでは、その施策をいくつかご紹介します。
まず「2050年カーボンニュートラル」に向けた対応。いまや気候変動問題は、人類共通の喫緊の課題といっても過言ではありません。世界でも、先進国を中心に多くの国や地域がカーボンニュートラルの旗を掲げて動き出しています。昨年、わが国も「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。
