視聴者をブームの共犯者に巻き込む NiziUに見るファンづくりの手法

日韓合同オーディションプロジェクト「Nizi Project」で誕生した日本人9人組ガールズグループ「NiziU」。2020年6月のプレデビューから大きなムーブメントを起こしている。どのように話題が広がっていたのか、エンターテインメント産業の研究者が解説する。
 
文/境 真良 iU准教授/国際大学GLOCOM客員研究員

*本記事は12月28日発売の『広報会議』の転載記事です。

 

新型コロナ対策に追われた2020年、エンタメ界では韓流の風が吹き荒れた一年となりました。その中でも新しいパターンのムーブメントを開拓したものにNiziU、そしてNizi Projectがあります。その新しさは様々ですが、煎じ詰めれば3点に集約できるかと思います。

新しいムーブメントの開拓

まず、K-POPプロジェクトの本格展開を初めて日本で行ったこと。「いや、これまでも展開してきたじゃないか」と言われそうですが、あくまでこれまでは、韓国で開発したK-POPグループの国際展開や、メンバーに日中台などの外国人を入れたということに過ぎませんでした。本来のK-POPグループの開発とは、比較的長期間のオーディション番組でデビュー前に消費者への浸透を図る手法が主流であり、その全体がプロジェクト展開なわけです。

この手法の狙いは、デビュー前に形成したファンの活動と連携し、デビューと同時にYouTube再生回数など、人気ランキングでの上位獲得で話題づくりを行うことにあります。これらはマスメディアにも影響を与えます。そうすることで初期ファンではない消費者に強い印象を与え、浸透をさらに図っていく。ネットワーク効果

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