『手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』(磯部光毅著)—はじめに

「宣伝会議のこの本、どんな本?」では、弊社が刊行した書籍の、内容と性格を感じていただけるよう、「はじめに」と、本のテーマを掘り下げるような解説を掲載していきます。言うなれば、本の中身の見通しと、その本の位置づけをわかりやすくするための試みです。

書籍『手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』とは

戦略プランナー/アカウントプランナーの磯部光毅氏が、7つの戦略論に体系的に整理し、その歴史、プランニングの考え方や強み、弱みを”手書き図”でわかりやすく解説。2016年の発売以来、広告主、広告会社双方から好評を博すロングセラー。2020年末には

オンライン講座化

され、新たな形で配信されている。

はじめに:いま、コミュニケーション戦略が、いちばん面白い。

この本は、コミュニケーション戦略をわかりやすく体系的にまとめた解説本です。

「マーケティング戦略とどう違うの?」「マーケィング戦略はわかるけど、コミュニケーション戦略って、あまり聞かないな」という方も、きっといるでしょう。

もちろん「コミュニケーション戦略は、マーケティング戦略の一部である」という言い方もできるでしょう。しかし、その表現では不十分だと感じるほど、今、コミュニケーション戦略の領域は拡大し、重要性が増しています。

ざっくり言ってしまえば、以前は「広告戦略」と呼ばれていたものが、時代に合わせて拡大進化したのがコミュニケーション戦略。テレビCMなどのマス広告を用いて、多くの人に一方通行で商品の魅力を伝えるための作戦が「広告戦略」だとしたら、マス広告だけでなく店頭やウェブなど、企業とブランドとの「あらゆる接点」を意識し、「双方向」のやりとりを重視したのがコミュニケーション戦略(マーケティング・コミュニケーション戦略)です。

おいおい詳しく説明していきますが、まずは「企業やブランドが、お客さんに対して、何をどのように伝えるか、どう受け取ってもらえるようにするか、あらゆる接点を意識して設計するのがコミュニケーション戦略」と捉えて、読み進めてみてください。

広告業界で日々仕事をしていると、

「コミュニケーションはクリエイティブがいちばん面白い」と言う人がいます。

もっとも創造性を発揮できて、人の気持ちを動かせるから。

「広告はデジタルがいちばん面白い」と言う人がいます。

もっとも変化が激しく、新しい潮流をつくっているから。

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