取材で印象に残っている話
井本:
取材をたくさんして、印象に残った人が多くいたと思います。大瀧さんどうでしたか?
大瀧:
デジタルクリエイティブ編で取材した皆さん全て印象的でしたが、直近で取材させていただいたライゾマティクスの真鍋さんの一言が記憶に残っています。「次々に出てくるテクノロジーの新しさを追っていく中で疲れて立ち止まる瞬間ってありますか」と聞いたら、「そうならないように常に、自分が新人でいられる場所を持っておく」と答えてくれました。例えば日本だと第一人者扱いをされてしまうから、自分のことを知らない人も多い海外の展示会仕事にあえて身を置くそうです。そこでは新人としての作業もすることになる。新人の初心と緊張を常に持つことで、走り続けられると。僕らのように、ある程度仕事をしてきた人間にとってもすごく参考になる話でしたし、学生の皆さんにとっても勇気をもらう言葉なのではと思います。
尾上:
プランニング・コピーライティング編では、ほとんど全員にトラウマがあるのが特徴的でしたね(笑)。過去にあった何か嫌なこと、学生時代パッとしなかったことを払拭するために、今頑張ってやっているという話が多かったです。
井本:
アートディレクション・デザイン編も、本当に皆さん個性がバラバラで、全ての話が印象的でしたね。活躍されているアートディレクターの皆さんのお話はもちろん、特にロバートの秋山さんの企画方法を伺えたり、予備校時代の後輩でもある漫画家のかっぴーの話が聞けたのは、就活本としてはレアな人選で自分もワクワクしましたね(笑)。
クリエイターの対応領域が広がっている。ずっと飽きない仕事
大瀧:
井本さんは2013年発刊の『クリ活1』から携わっていますよね。時代の変化なども含めて前回との違いはありましたか?
井本:
1の時よりも、クリエイターの方々がどういうことを考えてモノづくりをしているか、どのような人生を経てセンスや感覚を形成したのかなど、就職活動以外にも突っ込んだ話を聞けたのは良かったですね。結局、一周回ってその話一つひとつが就活にも関わってきたりします。単純に「アートディレクター」の幅も7年前と随分変わって広がった印象があります。ジャンルの違う色々な人に話が聞けたのはすごく良かったですね。学生の方々も幅広く参考になりそう。

