あなたは顧客をどのくらい知っていますか?
突然ですが、あなたは自社の商品やサービスの顧客、あるいはお店の利用者のことをどのくらい知っていますか?どんな性別、年代の人が多いのかは、よほど現場から遠い役職の人でなければイメージがつくのではないでしょうか。
では、その人たちがいつも他にどんな買い物をしているか知っていますか?交際費にどのくらいお金をかけて、どんなニュースを見て、どんな恋の悩みや夫婦喧嘩の種をかかえているか、あるいは誰と何をしている時に歓びや幸せを感じるかについてはどうでしょうか。
普段ビジネスの現場にいると、どうしても私たちは商品やサービスを購入してくれる顧客を消費者という一面だけで見てしまいがちです。しかし、世の中の人々は商品やサービスを購入するためだけに生きている訳ではありません。会社員であったり、自宅に帰れば二児の母で、地域ではボランティア活動をしているかもしれません。
顧客を単に「消費者」として捉えるのではなく、多様化した社会の中で主体性を持って生きる存在、「生活者」として捉えた時に、その人たちのことをあなたはどのくらい深く、多角的に理解できているでしょうか。
最近、新たに“発見”した顧客の特徴や変化はありますか?
生活者を多角的に理解するといっても、これは並大抵のことではありません。そもそも、他者を完全に理解することなどできないからです。
でも、それが家族であれ、友人や恋人であれ、注意深く相手と接したり観察をしていると「今まで気づかなかったけど、実はこういう一面があるんだな」、「今までは違ったけど、最近こんな趣味ができたんだ」というような新たな特徴や変化が何かしら見つけられるものです。
では、顧客を含む世の生活者についてはどうでしょうか。最近、生活者についてあなたが新しく“発見”した特徴や変化はありますか?同僚に話したくてたまらなくなるような発見が何かなかったでしょうか。
この問いの答えがすぐに思い浮かばなかった人、思い浮かんだけれどそんな素晴らしい発見をもっとしたいという人のために、本書は書かれました。