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そこで、本稿では、宣伝会議が開講する「ライブコマ―ス基礎講座」で講師を務める17LIVEの村井宏海氏が、ライブコマ―スのトレンド、実施するまでの事前準備と運用のポイントを解説します。
盛り上がりを見せるライブコマース市場
日本のライブコマース市場はコロナ禍を経て盛り上がりを見せています。我々が実際に各企業と日々やり取りする中でも、ライブコマースへのニーズが大きくなっていることを非常に強く感じます。昨今、DXというワードが飛び交っていますが、購買における「DX」ともいえるライブコマースも、日本国内で重要な接客・販売チャネルと認識され始めたのかなと捉えています。
我々の肌感として、現状の市場全体は導入検討期というフェーズに該当すると考えています。ただし、アーリーアダプターの企業や個人においてはライブコマースという新たなチャネルの価値を理解し、既にほぼ毎日配信を行っているのが現状です。今後、様々な企業や個人がライブコマースを始めることで、視聴するユーザー母数の拡大が期待され、ユーザー数が増えることで各プラットフォーマーのライブコマース参入が予想されます。
中国ではEC利用者の約4割がライブコマース経由で購入
日本国外に目を向けると、アメリカでは複数のライブコマース関連のスタートアップが資金調達していたり、ライブコマース先進国の中国では、既にライブコマース関連事業者が数多く存在し、TaobaoやTモールなどのECプラットフォームやTikTokやKUAISHOUなどのコンテンツプラットフォームでライブコマース事業を展開しています。
中国国内でライブコマースを利用するユーザー数は既に約2.65億人に到達し、ECを利用している人のうち約4割
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は既にライブコマースを通じてモノやサービスを購入するほど市場が盛り上がっています。日本でのライブコマース関連の事業者も続々と増えてきているので、中国同様に今後の盛り上がりが期待されています。
LTVの向上にも期待できるライブコマース
ライブコマースでモノが売れる理由としては、ユーザーのエンゲージメントが高いチャネルであることが挙げられます。17LIVE内でのユーザーインタビューから見えてきたことなのですが、「ライブは先に何が起こるかわからないからついつい気になって見てしまう」というインサイトがあります。実際にライブというチャネルは他のSNSより圧倒的に利用時間が長くなる特徴があります。つまり、ライブという場はユーザーの没入度や熱量が高い、と言えるでしょう。