SDGsを自分ごととして捉えるヒントがつまった『未来の授業 SDGsライフキャリアBOOK』(宣伝会議発行)は、社内研修や学校の授業で活用できる書籍です。
子どもから大人まで、SDGsをどのように捉え、取り組んでいくべきか。正解のない問いとともに生きる時代のSDGsの向き合い方について、書籍の監修者であり、SDGsや持続可能な開発のための教育(ESD)に関するプロジェクトに30年近く携わってきた佐藤真久先生が解説します。
※本記事は、2021年3月22日に実施した、書籍発刊記念セミナーの内容をまとめたものです。
SDGsは“流行り”でも“海外の話”でもありません。
SDGsは “新しい取り組み”だと思われがちですが、実はそうではありません。
戦後、日本は人々が豊かに暮らせるよう、経済や社会の開発を進めてきました。
そして1970年代になると、日本を含む世界中で地球環境について考えるようになりました。
こうした流れの中で2001年に掲げられたのが、貧困・社会的排除問題の解決を目的としたMDGs(ミレニアム開発目標)。これに新たな社会問題や地球環境問題の解決という目的を加え、2016年から2030年までの目標としたのがSDGsです。
つまり、SDGsは流行り的な立ち位置ではないということ。
戦後から長い年月をかけて「世の中を良くしよう」と取り組んできた積み重ねが、このSDGsに反映されているというわけです。
そこで私たちがやるべきことは、SDGsを“自分ごと”として捉えること。
海外からやってきたものとして認識するのではなく、日本の課題、そして自分たちが住む地域の課題として捉える必要があります。
SDGsにどう取り組んでいくかは、日本も海外も、都市も郊外も関係ありません。
「17個の目標はすべて繋がっている」というのがSDGsの大きな特徴ですから、世界中みんなで取り組むことにこそ意味があるのです。