D&AD最高賞は「#WombStories」「Boards of Change」「True Name」、現代の社会問題に取り組んだ3プロジェクトが受賞

イギリス・ロンドンを拠点とするD&AD賞は、5月に同アワードの各受賞作品を発表した。

 

最高賞であるブラックペンシルを受賞したのは、3作品。いずれも女性特有の身体現象にまつわるタブーの打破、 性に関するアイデンティティやBlack Lives Matter運動などの社会問題に取り組み、行動変革を進めた作品が受賞した。

うち1作品は、2019年にブラックペンシルを受賞したLibresse(Essity)「Viva la vulva」に続き、同ブランドの動画「#WombStories」(子宮の物語)。タブーとされることの多い子宮にまつわる会話を、もっとオープンにすることを目的として制作されている。映像では、さまざまな女性たちの子宮にまつわる物語が実写とアニメーションで展開される。制作は、AMV BBDO。なお、本作を制作したAMV BBDOは、本年度のアドバタイジングエージェンシーランキング1位に選ばれている。

2作品目は、アメリカ・シカゴ市で実施された「Boards of Change」プロジェクト。Black Lives Matterの抗議活動中に店舗をバリケードするために使用された、アーティストたちが描いた合板。それを団結と正義のメッセージがあふれる投票者登録ブースへと作り直し、潜在的な有権者になっていたアメリカの黒人の登録を促進した。制作は、FCB Chicago。

そして3作品目は、マスターカードの「True Name」。カードを使用する際に見た目と名前が違うことで差別やいやがらせを受けることがあったトランスジェンダーやノンバイナリー(男性・女性に当てはまらないと認識する人)の人々。マスターカードでは、彼らが選択した名前をクレジットカードに使用できるようにしたトゥルー・ネーム・カードを発行。その試みが評価された。制作は、McCann New York。

ブラックペンシルに続く賞であるイエローペンシルを日本で唯一受賞したのは、コロナ時代の新インターンシップとして2020年に展開された「47 Internship」(電通)。デザインのクラフトに加え、47都道府県の47人の学生が参加できるオンラインインターンシップという取り組みまでが評価されたという。

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