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短期集中、投下サイクル、有効フリークエンシー メディアプランニングの神話

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新しさと古さが同居するメディアプランニング

©123RF

メディアプランニングは広告ビジネスの根幹のひとつをなすものですが、「新しさ」と「古さ」が同居している領域でもあります。

「新しさ」とは広告ビジネスの発展は、メディアの発展や進化に左右されることから、メディア環境の変化が常にこの領域に新しい視野をもたらしてきたと言えるからです。また、いわゆる広告におけるサイエンスは、メディアプランニングから始まり、コンピュータのような情報テクノロジーの恩恵がもたらされたのもメディアプランニングの領域だったという側面もあります。

一方の「古さ」とは、メディア別に独自のビジネス慣習が残る領域であることが影響します。メディアを運営する企業によって広告に対する考え方は異なります。例えば、広告メディア事業を主要なビジネスとみなさないメディア企業(たとえば看板を所有する不動産主、鉄道会社など)との取引は特にその企業の文化が反映されたものになっていました。私が営業として広告会社に勤務していた時も、同じメディア部門でありながら、個々の媒体によってまったく担当者のカルチャーが違っていたのをよく覚えています。

ジョーンズの『広告が効くとき(1995年)』の広告業界背景

最近、私は新入社員時代(1990年代)に読んでいた広告の本を手に取る機会がありました。広告ビジネスにおいては、実際どの時代に属しているかによってかなり、そのスタイルは変わってきます。それは言うなれば当時、最もホットだったメディアが主導になるということ。インターネットが普及し始めるのは95年ですので、私が新入社員だった90年当時は、まだマスメディア、特にテレビが強かった時代です。一般的に80年代は広告ビジネスが世界的に成長した時期であり、日本はバブルに突入し「広告が文化である」という雰囲気を西武グループ(西武百貨店のために糸井重里氏が書いた有名なコピー「おいしい生活。」がそれを物語っています)がリードしていましたが、90年代になるとバブルが崩壊し、急速に停滞し始めたころです。

私は、広告会社に入社した当時はメディアプランニングについてはまったく素人でしたが、転職をきっかけにクリエイティブブリーフや戦略を学ぶようになってメディアプランナーとも話をするようになりました。当時、外資系広告会社のメディアプランナーは、日本の広告会社で言うところのマーケティング部門のように全般的な広告知識のあるタイプが多かったので、彼らとよく戦略の話をしたのを覚えています。

この頃のメディアプランニングについて話題となった書籍に、ジョン・フィリップ・ジョーンズ氏著の『広告が効くとき』があります。元JWTの調査・メディア部門出身のイギリス人が執筆した書籍を当時、東急エージェンシーのマーケティング部門が翻訳したものです。原著が出たのが95年、邦訳は97年ですが、帯からも当時のメディアプランナーにとっては話題の本だったようです。自分もぼんやりと記憶に残っており読んだような気がしますがよく覚えていません。もし読んだとしてもよくわからなかったのだと思います。

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