JINS×スターバックス×東急ハンズ×ユナイテッドアローズ
顧客接点の減少をデジタルで補う
—コロナ禍で大きく変わった消費者の店内行動について、各社での変化を教えてください。
本田(東急ハンズ)
:コロナ禍では「購入場所から選びたい」という意識が強くなったと感じます。また、店舗の滞在時間を短くしたいという行動の変化もあります。従来から「ハンズクラブアプリ」などを通じて、商品の取り置き・取り寄せができるサービスを導入していましたが、ニーズの高まり受けてサービス機能を強化し、最短60分で希望店舗で商品を受け取れる「HANDS KEEPER」を導入しました。
ただ、東急ハンズの強みはリアル店舗。お客さまに店舗内を周遊していただくことで思わぬ商品との出合いや発見があるところも特長です。その点とのジレンマを感じながらも進めています。
濱野(スターバックス)
:「安心安全にお店で過ごせる」ことを強く求められるようになりましたね。座席数を減らすなど、安心して過ごしていただけるような環境をご提供できるようにしています。また、お客さまがスターバックスに求めることは二極化しています。1つはドライブスルーなど、人と非接触で、短い時間で受け取れるサービスへの需要が高まっていること。もう1つは、安全な環境であれば「仕事や勉強をスターバックスでしたい」というニーズがさらに高まっているように感じています。
向殿(JINS)
:行動パターンの変化としては、EC化率が倍以上に伸長しました。とはいえ、実店舗の来店客数が減っているというわけでもありません。眼鏡を買う場合、お店でしか提供できないサービスがあるからです。
1つは視力測定、もう1つはフィッティングと呼ばれる、眼鏡を顔のサイズに合わせて調整するサービスです。これらをリモートで提供するのは相当難易度が高いと考えています。今は商品がウェブでも見られますし、アプリ決済もできます。オンライン・オフラインでシームレスに購入できる形が増え、お客さまにも様々な形でご利用いただけているかと思います。
高田(ユナイテッドアローズ)
:コロナ前から、アパレル業界ではネット販売の拡大によりリアル店舗の存在意義が問われていました。この1年で、オンラインを起点とした購買の動線が決定的になり、「ネットはリアル店舗を補完するもの」という立場も大きく逆転しました。