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その施策は「意識変化」「態度変容」に寄与したか
井口
毎年チャレンジされている方にとっては重複するかもしれませんが、まずは我々が審査委員として、どういう目線でエントリーを評価しているのかということを共有したいと思っています。
まずは参考として海外アワードの審査基準というものがありますが、そこではStrategyが30%、Executionが20%、Ideaが20%、Impact & Resultsが30%というように分けられていて、日本でも世界標準に近づけようとしています。
クリエイティブのアワードではIdeaの部分の比重が大きくなりますが、PRでは、戦略がどう立てられ、どう実行し、最終的にどういう成果を生んだのか──入口と出口がしっかりしているかどうかを見ていくということです。
また、今までは「PRといえばパブリシティ」と言われてきましたが、今はOuttakes=意識変化、Outcomes=態度変容という部分にどう寄与したのかを見ていきたい。社会を変える、ルールを変えるといったSocial Impact=ソーシャル・インパクトにまで結びつく、そこを目指した事例を表彰したいと考えています。
昨年の審査に当たっては注視するポイントとして、審査委員の方々に「逡巡から決断へ」「ステークホルダーの戦略的設定」、そして「パーパスドリブン」なコミュニケーションアプローチという3つの視点で見ていきましょうとお願いし、2つの事例がグランプリに選ばれました。
ひとつはダイキン工業さんの「“上手な換気の方法”を伝えたい!『空気で答えを出す会社』の底力」です。空気に詳しいダイキンが、換気で苦しみ、悩む飲食店さんにヒントを提供する。自分たちのそもそも保有する知見をつまびらかにすることで企業への信頼感を勝ち取り、「エアコンもダイキンで買えば間違いない」と、企業への共感を生むコーポレートコミュニケーションから、実際の商品の売上にも繋がるマーケティングコミュニケーションへ連動し、双方で成果を出していることを評価しグランプリに選びました。

