スーツへの価値観の変化に対応 青山商事のOMO旗艦店

スーツを着る機会の減少

「THE SUITS COMPANY 新宿本店」

コロナ禍以前から苦境が続くアパレル業界。抗えない時代の波を乗り切る策を各社模索しているが、青山商事ではザ・スーツカンパニー業態で展開する4つのブランド「THE SUITS COMPANY」「WHITE THE SUITS COMPANY」「UNIVERSAL LANGUAGE」「UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’S」を集結した店舗を新たに「TSC SQUARE」と定義。その旗艦店となる「THE SUITS COMPANY 新宿本店」が10月1日、東京・新宿三丁目にオープンした。オンラインとオフラインが融合した、いわゆるOMO店舗となる。

東京メトロ・都営地下鉄の新宿三丁目駅の地下通路B6出口に直結したビルの地下2階のワンフロアを使い、広さはおよそ140坪。店舗にはゲージ見本としての製品や採寸できるスタッフはいるが、注文した商品は自宅に配送となる。

青山商事の河野克彦・執行役員 兼 TSC事業本部長(写真右)と前田功太・THE SUIT COMPANY新宿本店マネジャー(同左)

オープンに先駆けて行われた内覧会では、青山商事の河野克彦氏(執行役員 TSC事業本部長)が登壇。現在も続く新型コロナウイルスの売り上げへの影響について河野氏は、「特に新宿・渋谷など都心エリアの店舗が多いTHE SUITS COMPANYでは大きかった。そしてテレワークの導入、人と人との接触が減少、密を避けるため冠婚葬祭などへの参加が減ったことで、スーツを着る機会が減ってしまっている」と振り返る。

変革の時期の到来

一方で、スーツに対する価値観も変化。特にオーダースーツの売り上げ割合が非常に伸びているのは、「何着も欲しい」という「量」よりも、「勝負の1着が欲しい」という質に対する需要が増したためとした。また、SDGsの浸透もあり、顧客の価値観が変わりつつあることも影響しているようだ。

大型サイネージ型の「デジラボ試着室」は店内に複数設置

「UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’S」のサンプルサイズを展示するコーナー

青山商事はこれまで、2020年1月に「THE SUITS COMPANY ららテラス武蔵小杉店」店、同年10月に「THE SUITS COMPANY アイネス フクヤマ店」で、タッチパネル式の大型サイネージやタブレットを通じてECサイトや日本全国の店舗在庫から選べる「デジラボ試着室」を実験。それが「TSC スクエア」のオープンへとつながっている。

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