【前回コラム】競技未経験ながらフェンシング協会会長に就任。 きっかけは銀メダリスト・太田雄貴からの熱烈オファー(ゲスト:武井壮)【前編】
今回の登場人物紹介
※本記事は9月26日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
取材時は、「選手のフィジカルにフォーカス」
中村:パラリンピックの期間は、テレビつけたら毎日武井さんが出ていました ね。スポーツの魅力を伝えるときに、「こういうことを言うようにしよう」と意識されてることはあったんですか?
武井:各競技には専門家がいるじゃないですか。僕は十種競技っていう、体のいろんな能力を使ってその平均値の高さを競う競技のチャンピオンなので、フィジカルの専門家なんですよ。だから、スポーツの解説するときに心がけてるのは、技術には触れないこと。その技術を使うときに、どういう体の動きや機能を使ってるのかにフォーカスしてコメントするようにしています。
すると専門家も「自分より身体能力の高い人が言ってる」ということで聞きやすいし。「あの選手のあそこの動きのこのムーブメントは、この競技のこれとそっくりで非常に高い技術を持ってますよね」と言うぐらいまでだったら、技術屋さんたちも「なるほど、確かにそうだね」と言ってくれる。専門の人たちより上に立たずに下にいて、フィジカルの部分に特化したコメントする。なかなかそういうコメントをする人がいないし、どうしても「あの技術すごかったですね」っていう話になりがちなので。そこで差別化できるようにしていますね。
中村:さっきから、考えてらっしゃることがめちゃくちゃクリアですよね。
武井:僕はスポーツをやってた人間だから、選手たちの何がしんどいのかも結構分かるんですよ。「この競技ってこういうトレーニングで、こういうふうにしんどいんですよ」とか。その上で「やっぱりこの技術を身につけているのはリスペクトしますね」というコメントをすると、選手の人たちも「この人理解してくれてるんだな」って思ってくれやすい。
取材に行ったときは、一番苦しそうにやっているトレーニングを注視するんです。「何を我慢して、どういう能力をつけるために、何をトレーニングしなきゃいけないのか」をとにかくひたすら見るようにしています。「道のりを伝える」っていうのも意外となかなかみんな分からないところなので。本番の技術の話は専門家に任せる。それが一番噛み合わせとしてはいいと思うんですね。
澤本:取材に行って見学すると「何のためにやっていて、どこの何がつらいか」って分かるわけですよね。
武井:そうですね。僕の体はほとんどのことやってるんで。しかも体験させてもらって、勝負をしてそこそこの成果を出すと「あの人は自分より20歳も上なのに、フィジカルだとまだ俺勝てないんだ」って思ってもらえるのも、僕にとってはすごくプラスの要素。だから、もうひとつ気をつけてるのは、選手のフィジカルにシンプルな能力では負けないこと。
澤本&権八&中村:わはは!
澤本:すごいね。
武井:ただ走るとか、飛ぶ、投げるっていうことに関しては、選手たちであってもタメ張れるか上に行けるっていうのを持ってると、選手たちは話を素直に聞いてくれたりいろんなことを話してくれたりするんです。「20年前の現役ときにはこの人もっとすごかったんだろうな」って想像してくれるから。「この人がもし自分と同じぐらいの年数同じ競技をやってたら間違いなく強かっただろうな」って感じてもらうのが一番距離縮めやすいんです。だから今でも、毎日1時間はトレーニングするっていうのを決めてるんです。
中村:高レベルすぎて分からないんですけど、選手の練習風景を見に行ったときに「まだここの部分では勝てる」とか、「でもひとつのことをずっと研ぎ澄まし続けてきたここには勝てない」とか、そういうことを思いながら見るんですか?
武井:そうですね。選手の取材に行ったらまず探します。「この選手のこれはとんでもないな」とか「でもここは多分俺の方が強いだろうな」っていうのは見える。
澤本&権八&中村:(笑)。
権八:武井さんにしかできないね、この立ち位置は。
武井:そこで勝負するのは面白いですよね。僕からしたら、一生遊べるじゃないですか。この能力さえ削れないようにキープしておけば、一生全部のスポーツで地球上どこに行っても楽しめるんで。人生豊かですよね。だから今年か来年ぐらいに、ゴルフもプロテスト行こうと思ってて。
権八:それ聞こうと思ってた!
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