世界最大のテクノロジー見本市「CES」が1月3日に開幕しました。2年ぶりに見本市会場での展示が復活し、今回は自動運転や宇宙関連の技術などが注目を集めています。本稿では、江崎グリコの玉井博久氏が注目ポイントを速報します。
ロボットの話に終始したヒュンダイのプレゼン
メディアデー2日目はヒュンダイ自動車のプレスカンファレンスを紹介したいと思います。冒頭に会長のEuisun Chung氏が犬型ロボットともに登場し、そのままロボットの話になり、続いてボストンダイナミクス社の創業者が登壇してロボットの話を続け、その後もロボットが中心に語られ、一部未来の自動運転カーの内容はありましたが、約40分のセッションを通じてクルマの映像をほとんど見ることなく終わった、印象的な内容でした。というのも自動車会社の話という前提で参加したのに、ロボットが話の主役だったからです。
メディアデー初日に、主催するCTA(Consumer Technology Association)が今年の注目ポイントの1つとして「メタバース」を挙げましたが、ヒュンダイ自動車はそのメタバースに対する一つのアプローチを示してくれていると思います。2015年にNHKで放送された「NEXT WORLD 私たちの未来」をご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、まさにあの世界をヒュンダイ自動車は形にしてくれようとしています。
「NEXT WORLD 私たちの未来」の第4回『人生はどこまで楽しくなるのか』では、「バーチャルリアリティが実現する拡張世界」として“21世紀のどこでもドア”の話が紹介されました。主人公役の少年が、家の中にいながら、VRゴーグルのようなものと特別なウェットスーツのようなものを身に着け、雪山を“探検”する様子を描いていました。雪山にはロボットがいて、家からそのロボットにアクセスすることで、まるで自分がそのロボットのように操ることができ、ロボットが雪山で感じる温度感・肌触りを、家にいながら感じることができるという内容でした。

