【前回コラム】舞台でセリフを飛ばしても……女優が実践する緊張しない秘訣(ゲスト:今泉力哉・志田彩良)【前編】
今回の登場人物紹介
※本記事は10月24日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
共演した鈴鹿央士はほんわかした不思議系
中村
:実際に完成した映画をご覧になって、志田さんはいかがでした?
志田
:今泉監督の作品って、やっぱり一言では表せないんですよね。
中村
:そうですよね。
志田
:「こうでした!」って言える作品があまりないんですけど、私はそこが本当にすごく好きです。今泉さんの作品に限らずですけど、一言で誰かに感想を言える作品より、見た人にしか分からない感想が持てる作品がすごく好き。この『かそけきサンカヨウ』もそういう作品になっているなっていうのを感じています。温かさだったりがすごく良かったなって(笑)。
澤本
:僕も同じ感想だった。
今泉
:みんな語彙を失っていくっていう(笑)。
中村
:思春期の子どもにも見せたいんですよね。あとは、逆に奥さんや恋人みたいな、一緒に共感してくれる大人にも見せたい。その時に何て言って口説こうかなとか(笑)。「ちょっといいから見ようよ!」「見たらいいからさ!」みたいな。そんな良さなんですよね。じんわりくる。
今泉
:あと、原作のどこに惹かれたのかをいろいろ話してたりね。
中村
:はいはい。
今泉
:ただの憎悪じゃなくて愛情があったり、感情が2つあったりもするんですけど、やっぱり大人たちがすごく素直なんです。「あのときはそれが正しかったと思うけど、今でも分からない」とか。その「分からない」「未だに自分にできないことがある」みたいなことを、高校生と向き合って話すときに上からじゃなく、対等な目線で話してる場面がいっぱいあるんです。それは脚本や役者さんが演じて出来上がった映画を見て、「あっ、こういう風になってんだ!」みたいな。本当はそんなことじゃ、監督ダメなんすけど……。
