情報、メディア、コミュニケーション、ジャーナリズムについて学びたい人たちのために、主に学部レベルの教育を2年間にわたって行う教育組織である、東京大学大学院情報学環教育部。月刊『宣伝会議』編集長の谷口優が同部で講義を担当していることから、受講する学生の皆さんと編集コンテンツの企画から制作までを実地でチャレンジ。
今回はTBSラジオ「ハライチのターン!」を取材。お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さんと澤部佑さんがパーソナリティーを務める同番組は、毎週木曜の深夜0時〜1時の放送。番組の魅力のひとつが、「広告なのに面白い」企業コラボコーナーだ。
この広告企画には、嫌われ者になりつつあるとも言われる広告が生活者に受け入れられるためのヒントがあるのではないか。そんな仮説を持って、広告営業を担当するTBSラジオUXビジネス局アカウントマネージメント一部の阿部千聡さんとTBS GLOWDIAイベントラジオ事業本部ラジオ制作部副部長で、「ハライチのターン!」のプロデューサーも務める宮嵜守史さんに、インタビューを行いました。
前篇では、「ハライチのターン!」独自のコラボ企画が生まれた背景に迫りました。後篇の本記事では、リスナーを巻き込みSNSでも盛り上がった“神回”の放送の舞台裏を聞きます。
※本取材の企画・取材・執筆は葉いずみが、また取材は櫻井恵、野崎佳奈子、山川凱生が担当しました。
今回はTBSラジオ「ハライチのターン!」を取材。お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さんと澤部佑さんがパーソナリティーを務める同番組は、毎週木曜の深夜0時〜1時の放送。番組の魅力のひとつが、「広告なのに面白い」企業コラボコーナーだ。
この広告企画には、嫌われ者になりつつあるとも言われる広告が生活者に受け入れられるためのヒントがあるのではないか。そんな仮説を持って、広告営業を担当するTBSラジオUXビジネス局アカウントマネージメント一部の阿部千聡さんとTBS GLOWDIAイベントラジオ事業本部ラジオ制作部副部長で、「ハライチのターン!」のプロデューサーも務める宮嵜守史さんに、インタビューを行いました。
前篇では、「ハライチのターン!」独自のコラボ企画が生まれた背景に迫りました。後篇の本記事では、リスナーを巻き込みSNSでも盛り上がった“神回”の放送の舞台裏を聞きます。
※本取材の企画・取材・執筆は葉いずみが、また取材は櫻井恵、野崎佳奈子、山川凱生が担当しました。
スポンサーのラジオへの理解が、「神回」コラボを生む
――ぺんてるさんとのコラボで実現した「ボールペンあるある」のコーナーが面白く、個人的に“神回”だと思っています。コラボコーナーの内容はどのように決めているのでしょうか。
■「ボールペンあるある」とは?
2022年10月6日から3週にわたり「ボールペンを使い切れたこと、人生で1、2回」「三色ボールペンを一気に出そうとして詰まらせがち」など、ボールペンあるあるを募集。採用者には、岩井さんのネタの評価に応じた本数だけ、ぺんてる一押しのボールペンである「エナージェル」がプレゼントされました。
番組に用意された「エナージェル」は100本。しかし澤部さんに煽られた「2代目バカ社長(自称)」の岩井さんは、1週目で62本もプレゼントしてしまいます。そこで「ぺんてるさん、おかわり!」と「追いエナージェル」を要求すると、50本追加してくれました。
残り88本のエナージェル。これであと2週乗り切れるか、と思いきや、煽られるとつい熱くなってしまう岩井社長はまた大盤振る舞い。2週目にして手持ちエナージェルを全て放出します。コーナー存続の危機に陥った最終週、果たしてどうなってしまうのでしょうか。
2022年10月6日から3週にわたり「ボールペンを使い切れたこと、人生で1、2回」「三色ボールペンを一気に出そうとして詰まらせがち」など、ボールペンあるあるを募集。採用者には、岩井さんのネタの評価に応じた本数だけ、ぺんてる一押しのボールペンである「エナージェル」がプレゼントされました。
番組に用意された「エナージェル」は100本。しかし澤部さんに煽られた「2代目バカ社長(自称)」の岩井さんは、1週目で62本もプレゼントしてしまいます。そこで「ぺんてるさん、おかわり!」と「追いエナージェル」を要求すると、50本追加してくれました。
残り88本のエナージェル。これであと2週乗り切れるか、と思いきや、煽られるとつい熱くなってしまう岩井社長はまた大盤振る舞い。2週目にして手持ちエナージェルを全て放出します。コーナー存続の危機に陥った最終週、果たしてどうなってしまうのでしょうか。
宮嵜
:コーナー決定の経緯はケースバイケースですが、ぺんてるさんの場合で説明しますね。まず、ハライチは「あるあるネタ」が好きなので、このネタだと絶対に面白くなる確信がありました。
ただ、ぺんてるさんが当時、推していた商品である「エナージェル」限定の“あるある”を募集しても、リスナーにとってハードルが高い。そう考えていたところ、ぺんてるさんから「『エナージェル』の話だけをしなくてもいい。ボールペンそのものに注目してもらうことが目的なので、たとえ他社のボールペンの話をしてもかまわない」とおっしゃっていただきました。そこで、広くボールペンネタの“あるある”を募集することになったのです。
阿部
:一方で、番組中に流れるぺんてるさんのCMは、「エナージェル」のPRに徹することで、全体のバランスを取りました。
宮嵜
:投稿しやすいテーマだったため、コラボコーナー史上最多の投稿がありました。さらに、ぺんてるさんのラジオに対する理解とフットワークの軽さもあり、リスナーの皆さんと大いに盛り上がりました。
「追いエナージェル」の要求はもちろん台本になく、流れで決まったもの。ただ実は、ぺんてるさんは気前が良いから、追加のボールペンをくれるかも…、という気持ちは当初から僕の中にありました。

