最近よく聞く「パーパス」って何ですか? Vol.6 東大ホッケー部のパーパスが完成、策定後、彼らはどう変わったのか?

近年、広告界を中心に注目され、ムーブメントになりつつある「パーパス」。この1~2年で多くの企業がパーパスの策定・そしてその浸透に取り組むようになりました。
会社という大きな単位で取り組むものという印象が強いパーパスですが、実は部署、商品開発や店舗開発など、あらゆる場面で活用できます。今回、こちらのコラムに登場するのは、東京大学運動会ホッケー部BULLIONS。2022年に『パーパス・ブランディング』著者である齊藤三希子さん率いるエスエムオーにアドバイスを受けながら、自分たちの部のパーパス策定に取り組み、1年かけてようやく完成に至りました。今回は、完成に至るまでの取り組みについて話を聞きました。

チームの一体感を求めて、自主的に取り組んだパーパス策定

東京大学運動会ホッケー部BULLIONSは、1925年創部、あと数年で100周年を迎える伝統ある運動会に所属しています。そんなホッケー部の新しい幹部に就任した、当時大学3年生の部員からエスエムオーに連絡があったのは、2021年の秋。「部のパーパスを策定したいが、何をして良いかわからない」という相談をいただき、エスエムオーのオフィスで幹部生と面談するところから始まりました。

東大ホッケー部BULLIONSのパーパス策定の道のり 前半の詳細は

こちら

で。

そこからは、学生主体でパーパス策定を進めることができるよう、エスエムオーはアドバイザー的な立場で助言をしてきました。当初、2022年春の新入生歓迎会までには決まるはずが、結局代替わりまでの1年をまるまるかけて、ようやくパーパスが完成しました。

完成したパーパスは、こちらです。

東京大学ホッケー部のパーパス
学生主導の頭脳ホッケーでジャイアントキリングを目指し、挑み続ける人間を育成する。

学生主導の部活を通して、部員は様々な人と関わり、主体的に考え・行動します。
そして、自らの頭脳を生かした東大らしいホッケーでジャイアントキリングの達成を目指します。
その過程で、いかなる難題にも挑戦し続ける力を養い、これからの世界をリードする人材を育成します。

「パーパスを作成しようと思った理由はコロナ禍以降(その付近)でホッケー部の置かれてる環境が大きく変化してきたことがあります」と、今回の策定に取り組んだ東大ホッケー部元部員の方。当初の予定よりパーパス策定に長くかかったこともあり、彼はこの春、部の活動を引退しています。

では、実際にパーパス策定までの1年間道のりは、どのようなものだったのか、聞いていきたいと思います。そもそもなぜパーパスを策定しようとしたのでしょうか。

「まず、内部での変化でいうと、部員の価値観が多様化してきました。部員それぞれの一番大事なものが部活、学業、研究、趣味など多岐に渡り、今までの部活第一という部員はここ数年で減っていきました。それが原因かは分かりませんが、チームとしての一体感も薄れたように感じていました。このような事情からパーパスを決めることで部の方向性を定めることを考えました。

外部の変化でいうと東京大学内の他部活が理念を設定し、それに基づくブランディングを始めていたことがあります。それによりホッケー部の魅力は相対的に低下し、新歓で見向きもされず、部員が減少してしまいました。そのため、パーパスを設定することがブランディングにもなるのではないかと考えました。

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