キリンビールは10月24日、ビールサーバー「TAPPY(タッピー)」の導入店舗数が、同19日時点で2万店を超えたと発表した。「TAPPY」は2021年4月に提供を開始。
「TAPPY」は3リットル入りで回転率が増すほか、飲食店従業員の作業時間短縮などの特徴がある。新型コロナウイルス感染症の影響下で、従来のビールサーバー1樽あたりの消費時間が長くなり、新鮮なビールを提供しづらくなっていたことに着目した。樽の場合は「キリン一番搾り」や「キリンラガービール」で7リットル〜20リットルが定番。
専用のビールサーバーも開発し、取り付けや洗浄にかかる時間も短縮した。樽詰めの場合と比べ、年間で約80時間削減できるという。ホースを短くすることで提供されずに捨てるビールの量も減らせる。コスト換算では年間で約16万円削減と試算した。樽の場合は酒販店が回収するが、ペットボトルのため、そのまま廃棄できる。
酒税法改正で10月1日からビールは税率が下がり、店頭価格にも反映。一方、業務用はコストアップの影響もあり、缶ビールほどには酒税改定の恩恵は薄いとみられる。販路を広げる上では料飲店の課題を一層無視できない状況だ。
日本フードサービス協会の調査では、2023年8月度の「パブ・居酒屋」業態の客数は、前年同月比135.4%だった。ターミナル駅や商業施設の店舗は帰省客などの需要が旺盛となった一方、ビジネス街立地の店舗では不振がみられるもよう。売上高は同比150.3%と回復基調だが、19年比では66.5%。コロナ5類移行後、外食需要は戻りつつあるが、まだまだ途上といえる。
人手不足も深刻で、帝国データバンクの調べによると、ことし7月時点の非正社員の人手不足割合では「飲食店」が83.5%で、同業種のみが8割を上回った。「飲食店」は雇用者の7割以上が非正社員なのが特徴。
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