バリューコマース、自社株TOBへ LINEヤフー子会社から外れる

バリューコマースは3月11日、自社株の公開買付け(TOB)を実施すると発表した。主要株主で、LINEヤフー子会社のZホールディングス中間(ZHD中間)が保有する株式のうち、発行済株式の33.1%にあたる1069万株を110億円で取得する。バリューコマースは、LINEヤフーの子会社から外れ、持分法適用会社となる。

次ページ 「『Yahoo!ショッピング』に高く依存」へ続く

LINEヤフーは、バリューコマース株式の売却について検討していたとみられる一方、バリューコマース側も、同社ECサイト向けサービスが、LINEヤフーのネットモール「Yahoo!ショッピング」に高く依存しているなどの課題があった。

バリューコマースの2023年12月期売上高は、前期比17.7%減の293億9600万円、営業利益は同比36.6%減の52億2900万円だった。セグメント別利益は、「アフィリエイト」を主力とするマーケティングソリューションズ事業が同比35.1%減の18億5300万円、ネットモール出店者向けのECソリューションズ事業が、同比28.2%減の48億1100万円だった。

ECソリューションズ事業では、「Yahoo!ショッピング」出店者向けの、サイト内検索連動型広告や、利用者向けにクーポン配信などができるCRMツールを提供している。LINEヤフーはことし1月、「Yahoo!検索」内に、同ネットモールに誘導する検索連動型広告の配信を開始したが、バリューコマースは「中⾧期的には影響はない」とし、「(同社広告商品について)LINEヤフーの営業部隊と協業の上、より積極的な拡大を狙いたい」としていた。

バリューコマースは24年12月期も減収減益の見通しで、売上高は23年度比3.7%減の283億円、営業利益は同比23.5%減の40億円とした。減収要因で最も大きいのはアフィリエイトで10億円を超えるマイナスを見込む。今後、新規事業や旅行関連のテクノロジー領域に投資し、事業の柱として育てたい考え。

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