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コクヨ、IoT自販機で顧客接点拡大 外国人に日本製文具の魅力を伝える

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よみうりランド内に2号機設置

IoT技術を搭載した自販機で文具の目的外購入を促進する実証実験が行われている。コクヨは3月19日に、同社の文具を購入できるIoT自販機「BUNGUSTAND(ブングスタンド)」の2号機を稲城市の遊園地「よみうりランド」に設置。デジタルサイネージと大型タッチパネル液晶を搭載し、見た目だけでは伝わらない文具の魅力を画像や動画で伝えている。購入時に音楽や映像と共にギフトボックスが排出されるなど、購買そのものにエンターテインメント性を付加。センサーカメラによって購入者の属性を収集することで、商品企画に生かす狙いもある。

よみうりランド「グッジョバ!!」エリア内「BUNGU factory」に設置したIoT自販機2号機

1号機は2023年1月に羽田エアポートガーデン内の直営店「KOKUYO DOORS」内に設置。文具の新しい購買体験の創出を目指した取り組みで、同社は「文具のIoT自販機は国内初の事例」としている。稼働以来約3000人が利用しており、年齢は30~40代が中心。利用者の3~4割が外国人で、海外出張や国内旅行客の購入者も多い。ラインナップには人気の文具セットがランダムで出てくる「シークレットセット」などもあり、何が出てくるか分からないという楽しさから、子どもと一緒に利用するファミリー層も多かった。

1号機を羽田空港の直営店に設置した理由は、外国人に日本製文具を訴求したいという考えからで、商品説明や決済案内は多言語(日本語、英語、中国語、韓国語)に対応。デジタルサイネージでは言語に関わらず、直感的に伝わりやすい動画やグラフィックを意識している。帰国時の土産としての購入にも期待しており、日本の文具を購入者の家族や友人にも広める狙い。直営店でのオープンは、購買理由や購入者の属性など定性的なデータを収集しやすいほか、補充やメンテナンスといった運用面での利点も大きい。

同社は無人販売による顧客接点の拡大を目指しており、数年前から文具の自販機販売の可能性をリサーチしている。一方、従来の飲料用自販機では排出に商品の落下を伴う点や、販売サイズの制約などが大きな壁だった。そんな中、デジタルサイネージによる直感的な価値伝達が可能で、箱や紙袋ごと排出するIoT自販機に着目。同社はIoT自販機をプロモーション媒体とも位置付けており、普段は目に留まらない文具に興味を持ってもらうほか、メディアでの露出を増やす効果も期待している。

広報担当者は「本来は目的を持って購入することが多い文具において、偶発的に出会う体験価値を提供したい」と話した。

年間約185万人(2023年)が来園するよみうりランドの2号機は、同園の「グッジョバ!!」エリア内に設置。直営店外での導入で、新たな客層やニーズを探求する狙いがあり、学生やファミリー層の利用を期待している。商品は5種類で、「シークレットセット」(税込2000円)のほか、国内外で人気のあるユニーク文具をセレクトした「スペシャルボックス」(同3000円)などを用意。よみうりランド限定デザインのキーホルダーやトートバック、キッズセットなどもそろえる。

「BUNGU factory」の外観(上)、アトラクション「キャンパスチャレンジ」(下)

2016年3月にオープンした「グッジョバ!!」はものづくり体験をテーマとしたエリアで、同社のほか日清食品や大正製薬などと協業し、自動車、食品、ファッション、文具、健康の5業種で構成されている。様々なアトラクションやワークショップを用意しており、「BUNGU factory」ではキャンパスノートの製造工程を体感できるアトラクション「キャンパスチャレンジ」などを実施。今回の2号機の導入に伴い、ノートの表紙をシールやカラーペンでデコレーションできる人気ワークショップもリニューアルした。

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