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35年ぶりに復活した醸造施設 誕生の地でヱビスビール体験拠点をオープン、サッポロビール 

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情緒的価値の訴求でコアファン獲得を図る

サッポロビールは4月3日、ヱビスビールの醸造施設を伴った体験拠点「YEBISU BREWERY TOKYO」をオープンした。場所はヱビスビール発祥の地である恵比寿(東京・渋谷)。1988年の恵比寿工場閉鎖から35年を経て、同地に再びブランド拠点が誕生した。ヱビスの歴史を体感できるミュージアムや醸造の様子を見学できるエリアなどを備えており、同ブランドに触れる機会を増やすことで、新規客やコアファンの獲得につなげる。広さは約2544平方メートルで、入場無料。今年中に20万人の来場を目標に掲げる。

写真 人物 集合 4月2日に実施したオープン記念イベントで登壇した野瀬社長(左)と山田氏(右)
4月2日に実施したオープン記念イベントで登壇した野瀬社長(左)と山田氏(右)。山田氏による初注ぎと初飲みのほか、トークセッションを実施した

ヱビスブランドの歴史を伝える「ミュージアムエリア」では、過去の街や工場の写真を公開。「ブルワリーエリア」ではドイツ製設備でビールを醸造する様子を五感で楽しめる。実際にビールを味わえる「タップルームエリア」では、通年販売の「ヱビス∞」「ヱビス∞ブラック」のほか、期間限定商品なども用意。エリア内には過去に工場で使用されていた柱や釜をそのまま展示している。ツアーも実施予定で、4月24日に予約受付を開始する。

野瀬裕之社長はビール市場について「酒税改正やコロナ明けの影響で、国内ビールは大きな転換点を迎えている」と指摘。行動制限がなくなったことで、リアル体験や出会いの場を求める消費者が増えているほか、第3のビールや発泡酒ではないビールの需要も高まっているという。

1890年に誕生したヱビスビールは、ビールの本場であるドイツ製ビールの味を目指して製造。過去には「ちょっと贅沢なビール」をキャッチコピーとしていたが、野瀬社長は「様々なブランドやジャンルのビールが登場し、『ちょっと贅沢』という立ち位置が不安定になっている」と話す。今後は機能的価値だけでなく、情緒的価値も提供する必要があるとし、多様な生活の場面に対応できるラインナップの充実や、ブランドイメージを醸成するタッチポイントが重要だと語った。

写真 目の前でビールが作られる様子を五感で楽しめる「ブルワリーエリア」
目の前でビールが作られる様子を五感で楽しめる「ブルワリーエリア」

ヱビスビールはこのたび8年ぶりにリニューアルし、2月製造分から順次切り替えを開始。ホップの使用方法を最適化することで、麦の旨味をより際立たせた。100年以上ブランドを磨き続けてきたことをアピールするため「ヱビスは何度でも完成する」というメッセージを設定。ブランドアンバサダーに俳優の山田裕貴氏を起用し、テレビCM「ヱビスは何度でも完成する」篇を4月2日に放映開始した。CMでは「完成とは何か」を考える山田氏が、グラスが立ち並ぶ「ビールの森」を歩み、ヱビスビールにたどり着くことで「完成は一度きりじゃなくていい」と気づく演出を行った。

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