イベントは9月21日に昭和女子大学で開催された。左が澤田智洋氏、右が緩利誠氏。
※本記事は同イベントの内容をダイジェストでレポートするものです
学校が変われば、そのあとに社会が変わる
緩利
:いま学校の現場で様々な教育改革が進んでいます。GIGAスクール、SDGs…でも、どこか「言葉だけが踊っている」感じがしないでしょうか?指導要領で定められているからと「後追い」していないでしょうか?この「先3」プログラムは、そんな中でもう一度本質、目的を問い直そうという試みです。
現場に身を置いていると、先生が年々疲れていっている。正直そんな感覚があります。先生が多忙という話はよく聞かれますが、多忙になると「思考停止」に陥りやすい。思考停止になると、マニュアルやハウツーを求める。そんな負のスパイラルをなんとか止めたいと思っています。
本来、教育は面白いものです。後追いでなく、「先回り」することでもっともっと面白くできると思っています。学校というもの自体が、未来の社会の原型であり、学校の中で実現したものが、その後に社会の中でも実現していく、そういう(社会を先回りした)存在なわけですから。
鍵は、先生の学びです。この場が、志を持つ先生が集まってワイワイガヤガヤと新しいものを生み出していく、サードプレイスのような場所になればと思っています。
プログラムの1回目のテーマは「学校に、ゆる革命を!おかたい学校のゆるめ方」。僕の名前は「ゆるり」なんですけれども、「世界ゆるスポーツ」と出会った時は「これは運命だ」と思いまして。今日はそんな「世界ゆるスポーツ」代表の澤田さんをお迎えしております。
澤田
:よろしくお願いします。
緩利
:これは、私が書いた趣旨文です。こんな思いを持っている、だから学校をゆるめたいということを書きました。
澤田さんの「ゆるスポーツ」や「ゆるミュージック」のように、「ゆるスタディ」があってもいいじゃないかと思っています。これまで、学校がどんなメタファーで痛烈に批判されてきたか、ご存知ですか?
澤田
:…「軍隊」ですか?
緩利
:おお、いいですね。実は1つ目は「工場」なんです。近代学校のシステムって、実は生産性を上げるための工場のラインのシステムを取り入れて作られたんです。時間割を切って、チャイムを鳴らして、というのはまさにそうですね。2つ目は「軍隊」。書籍『ティール組織』の中では、学校は軍隊や教会と同じアンバー(琥珀)色のゾーンに分類されています。規律が強くて上位下達な組織なんですね。他にも「競馬場」(競争路)、「刑務所」(監獄)などに例えられます。


