マーケティング経験はどう活きる? 茨城県の校長が考える、公立伝統校のIBC戦略

伝統校で仕掛ける「両利きの経営」

民間企業から茨城県の下妻一高に赴任し、同校の校長に就任してまもなく1年が経とうとしています。開学から127年を迎える伝統校のアップデートを図るため、これまで培ってきた資産は守りつつ、新たなことにチャレンジする「両利きの経営」を目指した学校運営を行ってきました。

「新たなことへのチャレンジ」としては、学校の広報活動の強化を行ってきました。今回のコラムでは、この活動について紹介したいと思います。昨年は、副校長として1年勤務をしたのですが、そこで感じたことは、「こんなによい活動をしているのに、学校の良さが全然伝わっていない!」ということでした。非常にもったいないことです。下妻一高の資産(伝統)をどのように生徒や保護者に伝えていくか。まず始めに取り組むべきは、この課題だと思ったわけです。

こうした場面では、民間企業でマーケティングを経験してきたスキルが生きます。まず最初にマーケティングのフレームワークである、SPT4Pのに沿って、誰に、何を伝えるかを整理して、キーコピーとキービジュアルを考えました。キーコピーは「その挑戦が未来を変える」に決まりました。また、漢字一文字で表す「勇」というキーコピーも策定。これは中学校の教員が考えてくれました。さらにキービジュアルをスクールカラーの紫に決め、スクールカラーのTシャツを着た生徒たちが映った写真を使った、広報用のポスターを作成しました。

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生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)
生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

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