「市役所らしくない広報」を目指し、「行動変容」と「市民に伝わる広報」を目指したい

広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、地方自治体のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のスキル形成について考えているのでしょうか。本コラムではリレー形式で、「自治体広報の仕事とキャリア」をテーマにバトンをつないでいただきます。
厚木市・前場渓花さんからの紹介で今回登場するのは、糸満市の上原盛太さんです。

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上原 盛太氏

沖縄県糸満市役所
企画部 秘書防災課 広報担当

2014年に糸満市へ入庁。3課を経て、2023年から広報担当。

Q1.現在の仕事内容について教えてください。

ハイサイ!

沖縄本島最南端の糸満市で広報担当している上原です。入庁して11年目、広報担当としては2年目になります。

ちょこっと糸満市の紹介をさせてください。

糸満市は人口約6万2千人で、古くから「海人(うみんちゅ=漁師)のまち」として知られますが、市域の南にはサトウキビ畑やニンジン畑が広がり、漁業だけでなく農業も盛んな市です。600年の歴史を持つ勇壮な海の祭り「糸満ハーレー」や、五穀豊穣を祈願する「糸満大綱引」をはじめとする伝統行事も多く受け継がれていて、これらは旧暦に基づいて開催されるため、平日に国道を封鎖して綱引きをしたり、行事参加のために休みになる学校もあります(笑)。

また、糸満市は沖縄戦の激戦地にして終焉の地で、市内には避難壕として使われていた大小のガマが点在し、当時の名残をとどめています。国内唯一の戦跡国定公園に指定されている平和祈念公園も市内にありますが、修学旅行で来られた人もいるのではないでしょうか?

写真 糸満ハーレー最大の見せ場であるクンヌカセー(転覆競漕)!

糸満ハーレー最大の見せ場であるクンヌカセー(転覆競漕)!

写真 平日に国道を塞いで2万人の熱気に包まれる糸満大綱引!

平日に国道を塞いで2万人の熱気に包まれる糸満大綱引!

写真 沖縄戦が終戦となった6/23は、沖縄県の条例で祝日となります。当日、平和祈念公園では、在りし日に思いをはせ、平和の礎に刻まれた名前を前に手を合わせます。

沖縄戦が終戦となった6/23は、沖縄県の条例で祝日となります。当日、平和祈念公園では、在りし日に思いをはせ、平和の礎に刻まれた名前を前に手を合わせます。

このように、歴史や文化が薫るまちで生まれ育った私が取り組んでいる業務は、月1回発行の市広報紙作成、市公式SNSの管理運用、市ホームページの管理がメインの広報業務と、市民から寄せられるご意見・ご要望の対応をメインとする広聴業務の2つです。

Q2.貴組織における広報部門が管轄する仕事の領域について教えてください。

広報紙発行、市ホームページのデザインやレイアウト、市勢要覧発行、ラジオ広報・声の広報に関すること、SNSの管理運用、報道機関との連絡調整、パブリックコメントに関することの7つが広報業務になります。

Q3.ご自身が大事にしている「自治体広報における実践の哲学」をお聞かせください。

私は広報担当として「市役所らしくない広報」を目指して業務に取り組んでいます。

先にお聞きしたいのが、皆さん自治体の広報紙って文字だらけで読みにくいと思ったことありませんか?恥ずかしながら、私自身も市の広報紙を読み始めたのは入庁してから。それまでは、ほとんど手に取ることもありませんでした…。だって、文字多くて読むの疲れるから(笑)

そういった経験や考えもあり、広報紙はできる限り内容をかみ砕きながら文字量を減らし、写真やイラストを多くすることで、広報紙が目につくように、少ない時間で読めるように努力しています。

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