TOPPANのリ・ブランディングプロジェクトによる採用への波及効果

2024年12月に始まった宣伝会議による「テーマ別研究会」。2025年1月29日に実施された「採用ブランディング」の第1回研究会ではTOPPANホールディングス 広報本部 宣伝部長の佐藤圭一氏が登壇。TOPPANのリ・ブランディングプロジェクトによる採用への波及効果について語った。
写真 人物 TOPPANホールディングス 広報本部 宣伝部長の佐藤圭一氏

ブランディングとは具体的に何をすべきか

「TOPPA!!! TOPPAN」のスローガンを掲げたテレビCMが記憶に新しいTOPPANだが、リ・ブランディングに向けてどのように進めたのか。佐藤氏はまず、ブランディングとは具体的に何をすることなのか?という考え方から説明をはじめた。ブランディングとは、送り手(企業)が意図する「あるべき姿」と、受け手(顧客・社会)が捉えている「ブランドの姿(価値・イメージ)」のギャップを埋めること。ブランディングを「BRAND」と「ING」にわけ、BRAND(=アイデンティティ開発)においては、あるべき姿を言葉にする・見える化する、ING(=コミュニケーション)においては、あるべき姿を社外に発信する・社内で共有することだと示し、この考え方をリ・ブランディングの軸に据えたという。

実際の事業と世間からのイメージに大きなギャップが

TOPPANが2021年5月に発表した中期経営計画では、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトに、「DX」と「SX」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーへ、という目標を掲げた。ちょうど5年後となる2025年度末には、会社の事業ポートフォリオはDXやSXなどの重点事業で営業利益の半分以上を占めるといった変革を遂げようとしている。また2020年時に20%ほどだった海外売上比率も約50%へと拡大させ、グローバル化も加速させている。しかし、世間でのイメージはどうか。2020年当時「凸版印刷」という名前やロゴからどんな仕事をイメージするかを調査したところ、「紙の印刷」が66%、「知っているけど当てはまるものがない」が30%、DXやSXにおいては2%ほどだったという。具体的な意見としては、取引先からは「伝統的でドメスティックな印刷の会社」「いろいろやってるからよくわからない」、学生からは「企業風土が古そう」「親から『印刷は斜陽産業だから不安』と言われる」、従業員からは「入ればいい会社だけど、外には誇りにくい」など、世間では「紙に印刷をしている」だけの古い印刷会社のイメージが非常に強く、企業側のアイデンティティと受け手側のイメージにかなり大きなギャップがあることが明確となった。そこで2020年秋、リ・ブランディングにより「TOPPANは印刷だけの会社ではない」ことを広く社会に示し、ステークホルダーの認識を変えていくべきだと、舵がきられたという。

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