屋号変更や店舗の統廃合はせず、西友の経営資源を生かす
ディスカウントストア「TRIAL」(トライアル)を全国展開するトライアルホールディングス(HD)は3月5日、スーパーマーケットチェーンの西友を完全子会社化すると発表した。両社の統合により、連結売上高1兆円超の小売グループが誕生する。西友はトライアルグループの中核会社の1社として、独立した経営を維持する方針で。西友の屋号は変更せず、プライベートブランド(PB)商品も従来通り販売を続ける。
トライアルHDは2024年3月21日に東京証券取引所グロース市場に上場した。西友の店舗網と供給網を獲得し、関東圏での攻勢を強める狙いがある。西友の人材や企業文化を生かす方針で、従業員の解雇や既存店の統廃合は行わない考えだ。一方で、トライアル店舗で導入しているAI搭載ショッピングカートなどのリテールテクノロジーを西友店舗にも導入し、コスト削減や効率化を推進する。
トライアルHDの亀田晃一社長(左から2番目)や、西友の最高財務責任者執行役員の野村優氏(右から2番目)など、両社の経営陣
トライアルHDの2024年6月期の売上高は7179億円、西友の同年12月期の売上高は4835億円で、単純合算すると1兆2014億円の規模となる。これは直近の実績においてローソンやツルハホールディングスを超え、ヤマダホールディングスに迫る規模となる。
