制作から運用まで、テレビCMも“AI時代”へ
「AIによって、マーケティングは再定義される」。これはキャッチコピーではなく、私たちノバセルが現場で体感している日常です。
マーケティング業界は今、大きな変革期を迎えています。生成AIや業務自動化技術の進展によって、これまで「人の手」で行っていたマーケティング業務が大きく変わろうとしています。これまでは属人的と言われていたテレビCM制作・運用の世界にも、AIの波が押し寄せています。AIの活用は、これまで代理店に支払っていたマージンや、利用しきれていないSaaS(Software as a Service)のコストなど、見過ごされがちだった「無駄」を圧倒的に圧縮できる可能性を秘めています。今後は、「任せられる部分はAIに任せ、人はより速く、より本質的な判断に集中する」ことが大事な時代になります。
特に、テレビCM領域の変化は劇的です。第4回では、複雑な構造であるテレビCMを中心に、AIがマーケティング実務にもたらす変化をひも解きます。
ノバセルでは、テレビCMの効果を測る独自指標を用いたツールである「ノバセルトレンド」を活用し、放映と連動した検索数(指名検索スコア)をもとにCMのパフォーマンスを可視化しています。どの局・どの時間帯・どのクリエイティブが視聴者の行動を生むかを、まるでデジタル広告のように測定できる仕組みです。
このような定量的な評価指標とAIを掛け合わせることで、テレビCMをはじめとするマーケティング業務は変革を遂げています。AIがテレビ広告にどう具体的な変化をもたらしているかを具体的に紹介します。
成果の出たクリエイティブの共通項を抽出
AIは、かつて属人性が高く「ブラックボックス」だったクリエイティブ領域にも浸透しています。AIは膨大な過去データを学習して最適解を導く仕組みであるため、突拍子もないアイデアやとがった個性は得意でありませんが、はずさない堅実な案を高速で導いてくれます。AIによって、人間独自の斬新さや話題性を持った案を導き出すための下地を十分に作ることができるようになりました。