Apple Japanは5月9日、「iPhoneで撮影(Shot on iPhone)」シリーズの短編映画『ラストシーン』を公開した。企画制作はTBWA\Media Arts Lab Tokyo、AOI Pro.。監督は是枝裕和氏が務めた。撮影は『そして父になる』『海街diary』など是枝監督作品に長らく携わってきた写真家の瀧本幹也氏。主題歌はVaundyによる書き下ろし楽曲『まじで、サヨナラべぃべぃ』。劇伴は大橋トリオ。短編映画の視聴時間は27分。
短編映画「ラストシーン」のキービジュアル
今作は、鎌倉の街を舞台にした是枝監督初のタイムトラベル・ラブストーリー。「未来に何が残り、何が消えるのか」をテーマに、テクノロジーが進化するなかで、テレビドラマの未来を占う内容だ。ストーリーの主要人物を演じるのは、仲野太賀さん、福地桃子さん、黒田大輔さん、リリー・フランキーさん。仲野さん扮する脚本家が書いたドラマ脚本が低視聴率だったことが遠因となってテレビドラマが将来衰退する。その未来から福地さん扮する女優志望がやってきてストーリーが進む。
今の若者はiPhoneですぐに映画監督になれる
「普段、映画の撮影でもiPhoneをアングルファインダー代わりに使っている。そのまま本番が撮れるというのが、ちょっと不思議な体験ではあった」と瀧本氏。まさに撮影現場での様子を知っていた是枝監督は、瀧本氏を指名。iPhoneの多機能なカメラで、鎌倉の美しい空や海の色・動き、俳優陣の絶妙な表情の変化をとらえた。シネマティックスローモーションでは、再生速度を24fpsまで落とし劇中の印象的なシーンを映画さながらに演出。シネマティックモードでは、自由自在なピント調整で手前と奥の滑らかなボケ効果を出した。「映画のような重層的な絵が撮れた」と是枝監督はプレミア試写会の舞台挨拶で語った。
