日本のクリエイティブは世界で戦えると伝えたい CEKAI井口氏が球体映像で表現したこと

2025年3月末にアメリカ・ラスベガスにて、Adobe Summit2025が開催された。実施時期に併せて、ラスベガスに設置されている球体の建造物であり、メディアであるSphere(スフィア)にはAdobeの広告が掲出されていた。実は、そのクリエイティブディレクションを担当したのは、日本人。米国を拠点に活躍するCEKAIの井口皓太氏だ。スフィアという球体メディアで井口氏が表現したかったこととは。
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井口 皓太氏

映像デザイナー / クリエイティブディレクター

1984年生まれ、NYと東京を拠点に活動。’08年武蔵野美術大学基礎デザイン学科在学中に株式会社TYMOTEを設立。
’13年にクリエイティブアソシエーションCEKAIを設立。
動的なデザインを軸に、モーショングラフィックスから実写映像監督、また、チームビルディング型のクリエイティブディレクションを得意とする。
2020年にはオリンピック・パラリンピック大会史上初となる「東京2020 動くスポーツピクトグラム」の制作を担当。開会式典ではVideo Directorとして参画し、同大会のドローン演出3Dアニメーションも制作している。
また大型屋外広告として話題となった3D OOH for NIKE AirMax DAY 2022を制作。
主な受賞歴に東京TDC賞、D&AD Yellow pencil、NY ADC賞、AICP SHOW Design、AICP POST AWARDS Motion Design and Graphics受賞など。京都芸術大学客員教授。

巨大球体Sphereに掲出されたAdobe映像、なぜCEKAIがCDに?

ラスベガスに設置されているSphereとは、2023年9月にオープンした球体型の大型シアター。名前の通り、球形の外観が特徴で、高さは約112メートルにもおよぶ。内部は巨大なシアターになっていて、映像作品やアーティストのライブ会場としても使われている。

さらに外壁には全面的にLEDが設置されており、昼夜を問わずさまざまな映像を映し出すことができる。今回、Adobeが広告を掲出したのはこのSphereの外壁だ。

写真 Sphereに掲出されたAdobe広告。
写真 Sphereに掲出されたAdobe広告。

Sphereに掲出されたAdobe広告。

しかし、Sphereに投影するクリエイティブ制作に携わることができるのは、一握りのクリエイターに限られているという。CEKAIは数年の歳月をかけ媒体社であるSphere側と、そのプロセスをクリアしていた、とCEKAIの井口皓太氏は話す。

「Sphereのコンテンツ映像を制作できるプロダクションは、ある程度審査やプロセスがあり。私たちは事前にそのプロセスをクリアしていました。当時、日本の会社としてはおそらく初めてだったと思います。今回のAdobeさんのクリエイティブ制作においても、スフィア側から声がかかり実現したものでした」(井口氏)。

テーマは「AIが導き出したものを人間がどう拡張できるか」

今回Adobeが掲出した映像作品は「Video World」「Collage World」「Illustration World」の3つ。井口氏がクリエイティブディレクターとして全体を統括しながら、それぞれのテーマに合った表現を構築した。Adobeの存在感やAdobeSummitでも多く語られたテーマである「AI」を強く打ち出す内容になっている。

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