カンヌライオンズ2025 AI活用の受賞作分析&発覚したAIの不正利用

6月16日~20日(現地時間)にかけて開催された、カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル2025。現地参加した電通 zeroのクリエイティブディレクター 嶋野裕介さんが、今回は「AI」に着目。AI関連の受賞作品や、議論を呼んでいるAIの不正利用について紐解きます。
【前篇】「カンヌライオンズ2025『怒りなき表現時代』の到来」はこちら

私が好きな経済理論に「景気循環論」というものがあります。インフラや設備の劣化とイノベーションによるサイクルが産業ごとに10〜50年程度で起き、それによって社会が大きく変化するという理論。個人的にそれは経済だけじゃなくて、ファッションやフードにも当てはまるんじゃないかと思っています(タピオカとか、レトロブームも繰り返していますし)。

Windows95というPCの民主化・大衆化ツールが生まれて30年目の今年。一部の専門家のみならず、世の中全体に普及して一気に社会を変えているのはもちろんAI。カンヌ現地では、Appleやアクセンチュアなど多数の企業がセミナーでAIをテーマにしており、多くの人を集めていました。

写真 人物 カンヌライオンズのdentsu Beach Houseでは、電通の統括執行役員 豊田祐一氏らによる生成AI×ビジネスイノベーションに関するセミナーが開催されました。

カンヌライオンズのdentsu Beach Houseでは、電通の統括執行役員 豊田祐一氏らによる生成AI×ビジネスイノベーションに関するセミナーが開催されました。

受賞作の中でももちろん“AI”を標榜する作品が多数ありました。その中で、日本でも実践できるAIクリエイティブの活用術を2つご紹介します。

カンヌライオンズ受賞作に見るAIの活用術

今年の受賞作の中で、AIらしさが光ったものは以下の2つのポイントがありました。

01 Jury AI=熟練の人間の代わりに、判定員として機能するAI
02 Quirky AI=特異点(個性・クセ)をやや誇張して再現する生成AI

01 Jury AI(判定員としてのAI)

AIを活用した受賞作に共通するのは「目の良さ」だと言えます。そもそもの課題の着眼点(視点)が優れていたことと、それを解決するために人間ではなくAIの解析を用いることに必然性があったものです。

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