デジタル時代で注目を浴びる「紙DM」
参院選では「ばらまき」がキーワードとなっているが、マーケティング・広報の分野でも「脱・ばらまき」の動きが見られる。印刷事業などを手がけるラクスルは、7月9日にダイレクトメール(DM)の新サービス「パーソナライズDM」を開始した。紙のDMに埋め込まれた二次元コードを通じて、誰が、いつ、どの情報に反応したかを即検知することが可能。顧客の反応に応じて文面やフォーマットなどを設定したDMを作成できる。
「パーソナライズDM」で作成した「freee」のDM
昨年4月の郵送料金の値上げに加え、DMの有用性を訴求していた日本ダイレクトメール協会が3月31日に解散するなど、紙のDMには逆風が吹いている。一方で、紙ならではの価値も見直されており、ラクスル執行役員の木下治紀氏は「手元に残しておけることもメリットであり、自宅で会話につながることもある」と話す。
紙DMはデジタルに比べて開封率が高い傾向にあり、デジタルメール広告の開封率が20.9%であるのに対し、本人宛に届いた紙DMの開封率は74.3%というデータもある。
一方で、従来のDMは効果検証が難しく、すべての顧客に同一内容を送付する形式が基本。受け手の関心に合わない情報を一律に送付することで、敬遠されるリスクや紙資源の無駄が生じる課題があった。
