SEO戦略とGEOの統合が戦略の要 AI時代の検索エコシステムの展望

生成AIの台頭により、業務の効率化が実現するとともに、メディアの在り方や、企業と人の接点の作り方をも変えるような大きなインパクトが予測されます。マーケターは、これらの技術をどのように受け入れ、業務に活かしていけばいいのでしょうか。今回は、検索エコシステムの今後の展望について、富士通の山根宏彰氏が解説します。
※本記事は月刊『宣伝会議』8月号の連載「AI×マーケティングで未来を拓く」に掲載されています。
山根宏彰氏

富士通
研究本部 人工知能研究所 研究員

AIによる検索体験の進化とその影響

前回から、生成AIの出現により劇的に変容している検索エンジンをテーマに取り上げている。前回では、新たな検索エンジンの構造の現在の状況について主に論じたが、後半にあたる今回は、検索エンジンの現状だけでなく、未来の展望についてまで視野を広げて展開する。

Googleが開発したAI Overviewsの影響は、検索機能を単に進化させるだけでなく、情報探索の在り方そのものの変化にまで及んでいる。情報の探索結果は、フィーチャードスニペットに似た形式で表示され、典型的なAI概要には平均7つ以上のリンクが含まれており、ユーザーが詳細情報を確認できるようになっている。

特筆すべきは、AIが検索結果に与える影響が業界やクエリによって大きく異なる点にある。BrightEdgeの調査によると、ヘルスケア関連のキーワードの63%、B2Bテクノロジー関連のキーワードの32%、Eコマース関連のキーワードの23%でAI概要が表示されている。その一方、レストランや旅行関連のキーワードでは、AI概要はほとんど表示されていない。

この差異は、Googleが特に健康や金融などのYMYL(Your Moneyor Your Life)カテゴリーにおいて慎重なアプローチを取っていることを示している。YMYLカテゴリーでは、不正確な情報が人々の生命や財産に直接影響を与える可能性があることから、Googleは特に厳格な品質基準を適用しているのだ。

…この続きは7月1日発売の月刊『宣伝会議』8月号で読むことができます。

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